東日本大震災、そのとき自衛官の妻は 「今こそ行かなくちゃ」夫はそう言った

いつまた大災害が起きてもおかしくないから

 やこさんは、かつてスマトラ島沖地震の救助活動に参加し、「海上自衛官でよかった」と、自らに課せられた任務の意味を再確認したそうです。そして、いま日本で起きているピンチに、自分たちが必要とされていると。

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2011年4月、被災地近傍の港まで救援物資を運んできた海上自衛隊横須賀基地所属の多用途支援艦「えんしゅう」(画像:海上自衛隊)。

 防衛大学校第一回卒業式の訓示における、当時の内閣総理大臣、吉田 茂の言葉の中に
「自衛隊が国民から歓迎され ちやほやされる事態とは、(中略)国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ」という一節があります。

 この葛藤に満ちた言葉を胸に、困難に立ち向かっている人たちがいる。ならば私も、自分にできることを精一杯しながら家族、すなわち夫であるやこさんの帰りを待とう、そう思えるようになりました。

 この地震は私たちだけではなく、多くの人の意識を変えたと思います。

 その後、我が家は年に一回、防災用品の見直しをしています。日本は災害大国ですから、またいつ大きな災害が来るかわかりません。これを読んでいる方も、どうか今一度、備えを見直してみてくださいね。

【了】

【マンガを読む】3.11で離ればなれ 絆のありか

Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)

漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。

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