陸上自衛隊も使う155mm榴弾砲「FH70」実戦投入へ ウクライナ
今年の総火演でも実弾射撃が披露されました。
日本もライセンス生産したヨーロッパ共同開発の牽引砲
ウクライナ軍参謀本部は2022年5月26日、公式Facebook(フェイスブック)で、NATO(北大西洋条約機構)加盟国から供与された155mm榴弾砲FH70の射撃訓練を公開しました。
155mm榴弾砲FH70は、1960年代後半から1970年代前半にかけて、ドイツ、イタリア、イギリスの3か国が共同開発した牽引式野砲です。
ヨーロッパでは3か国が分担する形で1978(昭和53)年から量産が始まり、ドイツが「FH155-1」の名称で150門導入、イタリアは「FH-70」の名で162門導入し、イギリスは「FH70」として67門導入しました。
その後、ドイツとイギリスでは退役したものの、イタリアでは2022年現在も約90門が現役で使用されており、さらにサウジアラビアやモロッコ、フィリピン、エストニアなどに輸出(中古含む)されているほか、日本(陸上自衛隊)も1980年代初頭に採用し、日本製鋼所でライセンス生産して492門調達、現在も運用しています。
今回、ウクライナ軍が公開したFH70がどこから供与されたものなのか同国は明らかにしていませんが、イギリスの公共放送BBCを始めとして複数の欧米メディアは、すでにイタリアが155mm榴弾砲FH70をウクライナに対して供与した模様などと報じていることから、もしかするとイタリアで予備保管されていた砲なのかもしれません。
【了】
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