「別線での整備が妥当」日本海沿岸東北道の未開通部 “現道活用”困難 別線整備へ
結局は別線になります。
秋田道の一部で整備方針変更
国土交通省 能代河川国道事務所は2022年6月17日(金)、日本海沿岸東北自動車道(仮称)今泉IC~蟹沢IC間(秋田県北秋田市)の整備方針について、有識者委員会の助言を受けた対応方針を取りまとめました。
日本海沿岸東北自動車道は法定路線名であり、当該区間の前後は「秋田道」として案内されています。秋田県北部に残る未開通区間のうち、今泉IC~蟹沢IC間は当面、現道を活用する区間とされていましたが、有識者委員会は「別線での整備が妥当」と結論、国側も別線での整備案を固めました。
活用予定だった現道の秋田県道325号大館能代空港西線は、米代川に架かる「翔鷹大橋」を高規格道路ネットワークの一部として活用するには耐震性能が不足、なおかつ、エクストラドーズド橋という特殊橋であるため耐震補強に技術的課題が伴い、事業費も膨大になる、とされました。
秋田道の北側は現在、東北道に接続する小坂JCTから、大館能代空港を経て蟹沢ICまでが、暫定2車線、最高速度80km/hで供用済み。これに続く今泉ICまでの1.7km区間が、今回、現道活用から別線整備へと方針が改められました。
今泉ICから能代市へ至る「二ツ井今泉道路」4.5kmも国道7号の山側に別線を建設中で、ここまで最高時速80km/hでの整備が望ましいとされています。
二ツ井今泉道路は2023年度の開通が予定されていますが、今回、別線整備の方針案がでた蟹沢IC~今泉ICについては、開通予定などは示されていません。
【了】
石原伸晃元国交相が、「行け行けどんどんで、採算性の疑問な道路を作るわけにはいかない」と述べつつ、行革に沿った見直しを決めた、過剰な高速道路計画が、今や亡霊のように復活して、まさにどんどん建設~開通。
同じ場所に新幹線を建設するのに2~3倍以上もの工費をかけ、通常はガラガラの状態で、同じくガラすきの国道や列車と共にまかり通り、ひたすら財政悪化。負担は全部国民。
確かに、あるなしで比較すればあった方が便利なのは間違いない。しかし、代償はあまりに大きい。
大規模な環境破壊。
財政悪化による国民負担増加。
さらに公共性のきわめて高い鉄道が、元来は得意分野であり収入の柱であったはずの都市間輸送の業績の悪化などにつながり、衰退してしまいかねないことも認識しておくべき。
すべて現実にあちこちで深刻な問題として起こっていることであり、しかも引き返すこともままならないのである。