やっぱ似てきた? 日本の次期戦闘機と英「テンペスト」新コンセプト 開発計画“統合”の可能性
防衛装備庁コーナーのお隣に「テンペスト」が
テンペストの技術実証機の開発で主体的な役割を果たすBAEシステムズは、今回のファンボロー・エアショーで同社のパビリオンに、テンペスト関連の展示を集めた「テンペスト・ショーケース」というコーナーを設けていました。
そのパビリオンにはイタリアと、テンペストを中核とするイギリスの将来航空戦闘システム(FCAS)への技術協力を決定しているスウェーデンに加えて、日本の防衛装備庁も次期戦闘機への搭載を見据えて開発したXF9ターボファン・エンジンの模型などを出展していました。
冒頭で述べたテンペストの新コンセプトモデルは、防衛装備庁のコーナーの隣に展示されており、また色が黒一色であったこともあってか、新コンセプトモデルは、どことなく防衛省が発表した次期戦闘機のイメージイラストにも似ている印象を受けました。
その印象をテンペスト・ショーケースで説明にあたっていたBAEシステムズの担当者に伝えたところ、「このコンセプトモデルは日本と相談して作ったわけではないけど、イギリスと日本の新しい戦闘機に求めている能力の共通項が多ければ、形が似ていても不思議なことではないよね」と述べていました。
たとえば自動車の世界では、ルノー・日産・三菱アライアンスをはじめとする自動車メーカー連合が、プラットフォーム(車台)やトランスミッションなどの部品の共通化により開発や製造コストを抑えています。イギリス国防省と同国空軍、防衛省と航空自衛隊が新しい戦闘機に求めている能力の共通項が多いのであれば、テンペストと次期戦闘機も自動車メーカー連合による車両の開発と同様、機体やエンジンなどを共通化し、イギリス、日本、イタリアがそれぞれの国の空軍の要求に応じてカスタマイズしていくという手法が採用されるのかもしれません。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
予算獲得のために防衛相がでっち上げた妄想の基になった計画なので、統合されるのは当然のこと。訳の分からない口出しなどせず、素直に予算だけ渡せば計画はスムーズに進むだろう。既に世界で使用されているSONYや東レなどもあるが、それ以外の日本が出せる技術を使ってもらえるように今から働きかけていくべきだろう。
防衛大臣が予算獲得しようとするのは当然の動きで、なんら批判されるいわれはない。