一般人も乗れる大統領専用機!? 「ガルーダ・インドネシア・ワン」VIPじゃなくても羽田に来るワケ

ガルーダ機の通常塗装って何色?

 今回、羽田空港に降り立った「ガルーダ・インドネシア・ワン」を見てみると、他のガルーダ機とは違う塗装であることがわかります。通常の機体は機首前方に大きく社名とロゴが描かれ、機体後部はコーポレートカラーである青と水色を組み合わせた爽やかな配色となっています。

 それに対して大統領が搭乗する機体は、機首から垂直尾翼にかけて赤と白のインドネシア国旗が帯のように描かれ、側面には「REPUBLIK INDONESIA」と国名が入り、尾翼には「garuda」と社名が書かれています。さらに「ガルーダ・インドネシア・ワン」として運航する場合は、国章と大統領章が取り付けられます。

 ここまでの差異がありつつ、通常時は他の機体と同じように一般客を乗せ飛び回っており、今回来日したウィドド大統領が外遊から戻った後は早速、スカルノ・ハッタ空港発シンガポール・チャンギ空港行きのGA836便に投入されていました。なお、同機は国際線ではインドネシア周辺の近距離線だけでなく、オーストラリアや日本といった長距離線にも就航していることから、羽田空港にもたびたび旅客便として飛来しています。

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ガルーダインドネシア航空の通常塗装のボーイング777(深水千翔撮影)。

 自国のフラッグ・キャリアでVIPが外遊に出るのは珍しいことではありません。日本もかつてはJAL(日本航空)の機材が、天皇や首相の海外訪問で使用されてきた経緯があるほか、インドも2020年までは国営企業のエアインディアが保有するボーイング747-400をチャーターして「エアインディアワン」として運航していました。

 しかし、いずれも保有する航空会社の標準的な塗装で、1機だけVIP用に特別な塗装をするということはありませんでした。

 ガルーダインドネシア航空は「ガルーダ・インドネシア・ワン」に限らず、レトロ塗装機やマスク塗装機などさまざまなユニークな機体を国際線で飛ばしています。運が良ければインドネシア大統領が搭乗するための特別なガルーダ機に乗れるかもしれません。

【了】

【マスクを着けた機体も】「ガルーダ・インドネシア・ワン」塗装の特別機ほか

Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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