「珍機で北米~アンカレッジ~日本」就航目指すLCC、突然の計画変更 背景にロシア問題…ナゼ?
日本~アンカレッジ~アメリカ線でなぜ「ロシア」が関係?
ボーイング757をはじめとする双発機は、原則としてエンジン1基が停止したときなどに備え、条件の整った空港へ60分以内に降りられる範囲を飛行しなければいけません。アンカレッジ~日本間をこのルールを守りながらフライトするとなると、カムチャツカ地方などロシア北東部上空を通過する必要があります。
ただ、双発機には、一定の条件を満たし信頼性が認められた航空会社と機体に限り、この“60分制限”を大きく緩和する「ETOPS」という例外措置があります。しかしながら、ノーザンパシフィックエアウェイズの757はいまのところ、この認定を受けていません。
つまり、現状だと同社機では、空域閉鎖中のロシア上空を飛ばなければ、アンカレッジ~日本間の定期便を就航できないということを意味します。
ノーザンパシフィックエアウェイズは、まずアメリカ本土とメキシコ間で定期便を開設、その後準備が整い次第、アンカレッジ経由でのアジア路線を開設する予定です。報道によると最終的に日本へ就航する計画に変更はなく、そのために他社との共同運航や「ETOPS」取得を含めた手段を検討していくそうです。
ただし、使用する旅客機に関しては、業務拡大につれ、数年以内にボーイング737MAXやエアバスA321XLRといった新型機の導入も検討するとも。日本人がアンカレッジ経由でアメリカへ手頃な価格で旅行できる可能性は色濃く残る一方で、そのときには、757の後継機での運航に切り替わっている可能性も否めません。
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