あっという間に長崎!「西九州新幹線」に乗った 佐賀から“30分短縮”距離感変わる!

実際に乗ってみると

 武雄温泉駅を出発した試乗用「かもめ」。発車するとすぐに進路を大きく南へ変え、トンネルへ入ります。力強い加速に「やはり新幹線だな」と感じている間もなく、列車は減速。わずか6分少々で嬉野温泉駅に到着しました。

 そこから新大村、諫早と、数分ごとに停車します。新大村駅の周辺では大村湾、長崎空港、車両基地を横目に見ることができます。しかしやはり新幹線。シャッターチャンスを狙っているうちに景色はトンネル、田園風景と、まるでテレビCMを見ているかのように、目まぐるしく切り替わっていきます。そうこうしているうちに、長崎駅に到着してしまいました。

 車内であまり取材もできないうちに、試乗会は終わります。正直なところ、あっという間に着いてしまったために、長崎駅に到着したという実感はあまり湧いてきません。しかし、ふと東側の風景を駅舎越しに見ると、丘陵の斜面に張り付くように広がる街並みが。まぎれもなく、「坂の街」である長崎市内の風景です。「確かにここは長崎なんだ」という旅情を呼び起こされました。

 とにもかくにも、車内で「あれもしたい、これも見たい」と思っていると、旅は一瞬で終わってしまいます。乗車時間は最速で23分、車内でゆっくり駅弁を食べている時間すらありません。

 以上のように、ないないづくしの印象で書いてしまいましたが、これは、長崎への「距離感」が大幅に短くなったということ。最果ての印象のある長崎が、「ちょっとすぐそこにある街」という存在になってくるのかもしれません。

 JR九州の広報担当者は「九州へ旅行に来たお客様が、『長崎にも寄っていこう』とプランを立てやすくなる心理的距離になり、人の行き来がより活発になればと願っています」と話していました。

 2008(平成20)年の着工から14年。ようやく、長崎へのフル新幹線ルートが、実現の日を迎えます。

【了】

【西九州新幹線の試乗会の様子】

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