頭デカすぎ!! エアバス初の異形機「ベルーガ」なぜ生まれた? 日本のファン注目、将来の“再雇用”とは
エアバスが製造した初めての異形貨物機「ベルーガST」。胴体の上部が膨らんだこのユニークな機体はどのように生まれたのでしょうか。また経年化も進んでいますが、その将来にも注目です。
1994年9月13日初飛行
1994年9月13日、ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス社(当時はエアバス・インダストリー)から一風変わったルックスを持つ貨物機が初飛行を迎えました。A300-600ST「ベルーガ(現在はベルーガSTとも)」です。このユニークな飛行機は、どのように誕生し、どのような将来を描くのでしょうか。
「ベルーガST」は、エアバス社が初めて世に出した旅客機「A300」を母機としますが、その胴体形状はA300とは全く異なります。胴体上部が、異様に大きく膨らんでいるのです。この膨らみはすべて貨物スペースとなっています。
なお、A300は旅客タイプだけではなく、貨物専用タイプもありますが、「ベルーガ」の収容力はA300の貨物型とくらべて約3倍。その貨物室は、高さ約7m、幅約7m、長さ約37mとなっています。
この機は、航空部品の輸送を主としています。ヨーロッパ域内の企業が結集してできた会社であるエアバス社は、各地でできたパーツを、フランス・トゥールーズに代表される最終組立工場に集める必要がありました。
「ベルーガ」が初飛行し、運用を開始した1990年代、エアバス社の機体はベスト・セラー・シリーズである「A320」だけではなく、より大型の「A330」「A340」などが製造されていました。また、のちに「A380」として知られることになる、超大型の旅客機を設計するという構想も練られていました。
その際、最も大きな課題となると想定されたのが、部品をどのように輸送するかということでした。トゥールーズには機体のサイズとして大きな複通路機(客席の通路が2本)の最終組み立て工場があり、そこまでそれぞれのパーツを迅速に輸送する必要がありました。
ヨーロッパ域内ですので、別の場所で一定レベルまで組み立てられた状態の胴体や主翼など、比較的大きなパーツであったとしても、トラックなどで陸送することは可能です。ただ、大量生産となると、胴体や主翼などの大型構成部品を陸送するのは、速さや効率の面でも現実的ではありません。そのため用いられていた手法が、特別仕様に改修された貨物機によるパーツ空輸なのですが、「ベルーガ」を使う前のエアバス社は、別の機を用いてこのミッションを実施していました。
美しい機体だ!
特に機首が美しい!
んっj