「大村車両基地駅」まもなく開業 展望はゼロでも重要な「存在理由」とは

「車両基地駅」新駅設置の「もう一つの目的」は

 大村市北部の竹松~松原間は4.3kmも離れていましたが、住宅地の辺縁に近く、中間駅の設置計画はありませんでした。

 設置に向けて大きく動いたのが、2013(平成25)年。新幹線が工事段階になり、新大村駅と車両基地という2つの関連施設が市内に設置されるのにあわせて、新たな街づくりをおこなうこととなり、「新大村駅まちづくり委員会」が結成されました。

 その中で、車両基地周辺地区は「車両基地ゾーン」と「文教ゾーン」の2地区が設定されました。「文教ゾーン」には中学校と特別支援学校、そして新設予定のろう学校と、教育施設が近接して複数立ち並ぶことになります。

「車両基地ゾーン」については、「車両基地の見える公園」もしくは「車両基地の見える新駅」を大村線沿いに設置するという2案がありました。

 この2案から「文教ゾーン」との兼ね合いで新駅設置計画が採用、「通学需要」「車両基地観光」の両輪で、新駅設置に向けてJRへ請願していこう、という流れになったのです。

 駅名は2020年3月に、市が案として「大村車両基地」「福重」「郡川」の3つを要望。その中から同年11月に「大村車両基地」が決定しました。

 車両基地の見える新駅という構想の実現は叶いませんでしたが、車両基地公開の際の拠点として、この駅は全国からの玄関口となります。開業後最初に行われる基地公開は、10月8日の「新幹線フェスタ 2022 in 長崎」となる予定です。

【了】

【開業間近「大村車両基地駅」の姿】

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