3つのターミナル統合宣言で注目「成田空港」 なぜバラバラだった? 60年前の“理想形”とは
1980年代はターミナルひとつ…どう激変?
供用開始直後の成田空港の第1ターミナルは、4つのサテライトが半円形に拡がるように配置され、第1・第2サテライトは北ウィングに、第3・第4サテライトは南ウィングに連結されていました。ちなみに、中央ビル屋上には、三菱MU-2ビジネス・プロペラ機などが展示されていたことがあり、航空科学博物館の開館に併せて同館に引っ越していきました。
その後、1980年代の成田空港は第1ターミナルだけで旅客の取り扱いにあたっていましたが、これが大きく変わったのが1992年12月6日に運用が開始された、第2旅客ターミナルです。
第2ターミナルは、上空から見ると漢字の「工」のような形状を特徴とします。本館に15スポット、サテライトに17スポットを設置。半円形から4つのサテライトが伸びる第1ターミナルと異なり、第2ターミナルが単純な直線形状となったのは、運航上、第1ターミナルの教訓を踏まえたものだったのかもしれません。
第2ターミナルの特徴としては、本館とサテライトの行き来に、当時最新のシステムであった「シャトル・システム」といった交通手段を使用することでした。シャトル・システムは、本館・サテライトをつなぐ約300mの連絡通路、つまり「工」の字でいえば“真ん中の縦棒”をつなぐシステムです。資料によりますと、世界で初めての空気浮上式シャトル・システムとのことで、エレベーターを水平にした仕組みなのだそう。何回か乗った覚えがありますが、浮上感はなかったように感じました。
この第2ターミナルの運用開始で駐機場(スポット)に余裕が生じたことから、第1ターミナルの大規模な改修が始まります。まずは北ウィングと中央ビルの大規模改修を進めたのち、南ウィングを改修し、南側の建物のレイアウトを見直し、新たなサテライトを新設。元来左右対称だった第1ターミナルは、大きく変更されました。すべての改修が完了したのは、2006年のことでした。
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