3つのターミナル統合宣言で注目「成田空港」 なぜバラバラだった? 60年前の“理想形”とは

第2完成からどんどん変わった成田空港

 ついで、第2ターミナルの改修も、2000年代の中盤から始まります。第1ターミナルのように建物の形状こそ変わることはありませんでしたが、旅客の搭乗関係の施設が刷新されたほか、国内線と国際線の乗り継ぎ施設が改修され、利便性が大幅に向上しました。またこの一環で、2013年には、本館とサテライトを結ぶ「シャトル・システム」も撤廃され、通常の動く歩道に改修されるなど、その内部はかつてとは大きく変わりました。

 第1・第2ターミナルが生まれ変わる一方で、2015年にオープンしたのが、第3ターミナルです。第2ターミナルの北側に隣接するように設置されていますが、第3は2010年代から国内でも本格化したLCC(格安航空会社)専用ターミナルです。一般エリアは充実している一方で、第1・第2とは異なり、搭乗橋(ボーディング・ブリッジ)や航空会社ラウンジなどがない簡素性を最重視したつくりが特徴。特長であるロー・コストに魅力を感じる方が多く、順調に利用者が伸びています。

 このほか、2012年にはビジネス・ジェット専用ターミナルが設置されるなど、成田空港の旅客ターミナルビルは、年をおうごとにそのスタイルを変えて、現在に至ります。

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成田空港の第1ターミナル(乗りものニュース編集部撮影)。

 このように、こまめに改修こそされているものの、第1ターミナルは供用開始から40年以上、第2ターミナルは30年以上経過している状態。おそらく冒頭にあげた「ターミナル集約」の構想は、近年NAAが打ち出している3本目の滑走路を設置する計画も関連しているとも考えられます。

 たしかに3つのターミナルをまとめて大改修と言うのも一つの名案かとも思います。しかし、3つのターミナルを徒歩で歩くのは広すぎ、その場合、空港機能の効率的な運用と旅客のニーズなどを考えると、相当に思い切った設計が必要となるでしょう。

 成田空港の新ターミナル構想は、今後具体的な計画が練られるようなので、その段階で、無人誘導小型移動車などを多数配置するなど、これまでの空港では使用されなかったような斬新なアイデアが盛り込まれるかもしれません。そういった意味でも成田空港の将来を楽しみに見ていければと考えています。

【了】

【図】波乱万丈! 初期計画~未来の姿まで「空からの成田空港」イッキ見

Writer: 種山雅夫(元航空科学博物館展示部長 学芸員)

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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