成田空港ターミナル統合構想で再燃? かつての“エアライン引っ越し騒動”その紆余曲折とは
ターミナル再配置が難航したワケ
ただ成田空港のターミナルの乗り入れ先の再配置については、すぐに話し合いがまとまったわけではありません。
というのも、第1ターミナルはリニューアルが進められていたとはいえ、建設時期は第2ターミナルより14年も前です。また、上空から見ると角張った扇形をしている第1ターミナルは「出発ロビー前の道路がカーブしていて使いにくい」との声もあり、直線的な形状をしている第2ターミナルから移るのを渋る声もありました。
そこに航空業界にとっての大きな危機も“向かい風”となります。NAAが引っ越しの最終提案を示したのは2001年5月。その4か月後に起きたのが、アメリカの同時多発テロです。
これにより、世界の航空便の旅客数は大きく落ち込みました。そのような状況であったことから、「生き残りに力を注ぐ中、先々の計画を今出されても」と、難渋し続けた航空会社も。ターミナル引っ越しは、とうぜん航空会社にとっても引っ越した後の旅客への宣伝費をはじめ、大きな出費をともないます。NAAと航空会社の交渉は緊張感が漂っていたようです。
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