もう出荷!? 韓国からポーランドへ輸出の戦車&自走砲 契約からたった3か月でなぜ可能?

国を挙げて相手国の要求に対応する柔軟さ

 しかし、このような後押しは決して珍しいものではありません。韓国が過去にフィンランドへK9自走砲を輸出した際には、韓国陸軍で使用していた中古車両(輸出時にオーバーホール&再組立)が提供されており、このときは価格の面で有利な条件をフィンランドに対して提示できています。

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ヒュンダイ・ロテム社の工場では今回の出荷に合わせて式典が行われた(画像:ヒュンダイ・ロテム)。

 今回のポーランドへの大規模輸出契約も、同国が可及的速やかな兵器導入を求めており、それに韓国の防衛産業が応じられたのが契約を締結できた理由だと考えられます。加えて、購入国(ポーランド)にも利益となる改良型の開発や現地でのライセンス生産を大幅に認めたというのも、導入決定に大きな影響を与えたのは間違いありません。

 兵器の優劣を判断する際に、その兵器の性能を基準に論じられることはよくあります。しかし、兵器輸出に関しては、単なる性能だけでなく輸出に関する条件や、企業や国家・軍による支援体制も重要になります。

 今回のK2戦車とK9自走砲のスピード出荷や、それに関連する諸条件を見ていると、韓国防衛産業はその点で非常に充実しており、相手国の要求に柔軟に対応できる臨機応変さを兼ね備えているのが証明されたといえるでしょう。

【了】

【写真】ずらり並んだポーランド向けK2戦車とK9自走砲ほか

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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コメント

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2件のコメント

  1. 質より量と好条件を選んだ訳だ!? でもなぁぁ、自走砲は北とのドンパチがあった時、殆ど役に立たなかったよな( ̄▽ ̄;) 全くあたらなくて、K2にしたってひっくり返るし30cmのコンクリート片も乗り越えられない!! いいのかそれで!!!って感じだけどw

    • 実績0で高いだけの日本製よりマシだろ。世界が認めてんだよ現実を直視しろ。