「世界最大のLNG燃料クルーズ船」が竣工 デカさ競争突入? でも「LNG=答え」にならなさそう

「世界最大」は1年3か月ほどで更新 マジでデカいLNG燃料船が出る!

 LNGは従来の舶用燃料と比較して、CO2(二酸化炭素)を最大25%、SOx(硫黄酸化物)や粒子状物質(PM)などの大気汚染物質の排出をほぼゼロにし、NOxを大幅に削減できます。このため近年は、自動車船や原油タンカー、バルカーなどでLNG燃料船が竣工しており、クルーズ船においては、MSC以外にも建造が進められています。

 アメリカを拠点とするロイヤル・カリビアン・インターナショナルが2024 年1月の就航を予定している「アイコン・オブ・ザ・シーズ」も、燃料にLNGを採用します。同船の規模は25万800総トンで、乗客定員は乗務員も合わせると、最大9950人に上ります。世界最大のLNG燃料クルーズ船の称号は、「MSC World Europa」竣工から1年3か月ほどで「アイコン・オブ・ザ・シーズ」へと移る見込みです。

 ほかにも、「飛鳥II」を運航する日本郵船グループの郵船クルーズがドイツの造船所マイヤーベルフトに発注した新造船(5万1950総トン)、米プリンセス・クルーズが伊フィンカンティエリに発注した新造船「サン・プリンセス」(17万5500総トン)なども、LNG燃料を使用するエンジンを搭載します。

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アイコン・オブ・ザ・シーズのイメージ(画像:ロイヤル・カリビアン)。

 日本の内航船に目を向ければ、商船三井グループのフェリーさんふらわあが、国内初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない/むらさき」(1万7300総トン)を2023年から投入することが決まっています。

 ただ、LNGが舶用燃料として主流になるのかは難しいところがあります。MSCクルーズはLNGについて「現在利用できる最もクリーンな舶用燃料」と評価し、大規模な利用が可能な脱炭素燃料が出てくるまでの“つなぎ”と位置付けています。

【脅威のデカさ】世界最大のLNG燃料クルーズ船&次の“世界最大”船(画像)

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