「アウトドア風味の軽」なぜ続々? “なんちゃってSUV”を地でいく 軽のしたたか戦略

軽自動車、しかも生活の実用性を高めたスーパーハイトワゴンに、「アウトドア風」デザインのモデルが相次ぎ登場しています。タフな見た目ではあるものの、SUVのような走行性能は望めません。その狙いは、全く別のところにあります。

販売実績は意外な結果に

 そしてこの戦略は、確実に軽自動車ユーザーとその予備軍の心をつかんでいます。

「広い室内空間とアクティブスタイルを融合したSUVな軽ハイトワゴン」がテーマのスペーシア ギアは、2018年に追加モデルとして発売されました。当時、スペーシアはN-BOX、タントに販売台数で苦戦し、カテゴリー3位に甘んじていたのですが、ギアの登場から販売台数がぐんぐん伸び、タントを抜いて2位になりました。

 スペーシア躍進の立役者は間違いなくギアだと、スズキ関係者も認めるところなのですが、じつは実際の販売台数の比率では、ノーマルのスペーシアが約4割、カスタムが約4割、ギアは約2割にとどまっているとのこと。個人的にも、街中でギアを見かける回数が多いと感じていただけに、これは意外でした。

 しかし、街中やテレビCMなどでギアを見て「欲しい」と思った人が、ディーラーへ行っていろいろと見ているうちに、家族などの意見も踏まえると結局はノーマルかカスタムを購入することになる、という話も聞こえてきます。これまでは予算や実用性のしばりで、しぶしぶ軽自動車を購入する流れもあった中、ギアのようにアウトドア風スタイルに魅力を感じ、購入へのアクションを起こす人が増えているということで、メーカーの戦略は十分に的を射ていたのだといえます。

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スペーシア ギア(画像:スズキ)。

 アウトドアブームとはいえ、多くのユーザーが求めているのは本格的な悪路走破性ではなく、「楽しい時間を過ごしたいと思えるクルマ」「ワクワクさせてくれるデザイン」。アウトドア風スタイルの軽ワゴンは、そうした意味で今もっとも時代に合っている軽自動車だといえそうです。

【了】

【なんちゃってSUVの真意】アウトドア風軽の内装&加飾パーツ 画像で見る

Writer:

カーライフ・ジャーナリスト。20年以上に及ぶ国内外での取材経験を生かし、雑誌・ウェブサイト・TV・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、安全&エコドライブのインストラクターも務める。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2006年〜)。現在はYoutube「クルマ業界女子部チャンネル」でもユルく楽しいカーライフ情報を発信中。

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