新「JALの部屋」ホテルに誕生 元祖「JALの部屋」とどう違う? JALの“本気”が見える展示物の数々とは

展示物に見るJAL整備士の「本気」

 たとえばテーブルに用いられたホイールは、2019年10月から2021年12月まで、ボストンやニューヨーク、ヘルシンキ線などに投入されていた787-9のもの。「このホイールが設置されていた787-9は、コロナ禍でお客様を載せないなかでも、旅客機を用いた貨物便として頑張って飛んできた機体です。ホイールの状態は(とりおろした状態から)ほぼ加えておらず、多少の傷はあえて残すことで、ストーリー性をもたせました」。矢田貝氏は次のように説明します。

 また、「JAL 787 10th Anniversary Room」は、とりおろした状態のパーツをほとんどそのままの状態で展示してあるものもポイントです。たとえば速度を測るための「ピトー管」を利用者から見えやすいように整備士が加工し展示。こにピトー管は787-9「JA849J」で2020年3月から2022年2月まで搭載され、2759時間使用したものとのことです。矢田貝氏が「今回はパーツに触れることや重さを感じていただく、といったことを重視しています」と話すとおり、その重さや質感を宿泊者実際に持って体感することができます。

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JALエンジニアリングの矢田貝 弦氏(乗りものニュース編集部撮影)。

 そして、矢田貝氏が「『ウイングルーム』と比較して、『JAL 787 10th Anniversary Room』でもっとも差別化を図ったポイント」として挙げるのが“パーツ類の解説”。部屋には約10ページのパンフレットがあり、室内に展示されている各パーツが、実運航でどのように使用されてきたのかが、事細かに書かれているのです。

 このように、新たな“JALの部屋”である「JAL 787 10th Anniversary Room」には、「ウイングルーム」とは違った方向性で、JAL機の整備士の本気度が窺える内容となっています。宿泊費は、1室2名で2万4200円からです。

 また矢田貝氏は取材に対し、「これにとどまらず、お客様のお声を反映させて次につなげていきたいです」とも。今後も航空ファンを喜ばせるような、新たなコンセプトをもつ“JALの部屋”が、次々に誕生するかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 廃棄物が置いてある部屋にこんな金額払って泊まりたいやついる?