「革新的設計」のプロペラ機に新型 エンブラエルが発表 世界が驚いた“エンジン配置”は?
もう1機はどう変化?設計の最大の特徴は「そのまま」…なぜ?
一方「ENERGIA H2 FUEL CELL」は、当初19人乗りを予定していたのが、それに加えて30人乗りの大型タイプの開発を検討するとのこと。水素燃料電池を搭載した電気推進で飛行することで、二酸化炭素排出をゼロとします。実用化は2035年以降を目指しています。
これらの2タイプでは、コンセプトをそのままに機体の大型化が検討される形となりました。一方で、同社が掲げ続けている「革命的な設計」の部分は、継続して残っています。それは、エンジンの配置です。これらはプロペラが胴体最後部にある「リアエンジン機」なのです。
エンブラエルでは2021年にこの機の開発原案を公開したときから、「リアエンジン」のスタイルを採用しています。ただし、「リアエンジン機」はジェット機などでは一般的ではあるものの、プロペラ機の場合、まず見られないユニークな仕様です。
これについて過去に、エンブラエルの商用航空事業のCEO(最高経営責任者)アルジャン・マイヤー(Arjan Meijer)氏が公式Twitterで、「(リアエンジンのターボプロップ機とすることで)従来機よりも高速で、運用コストが低いほか、客室内の騒音を低減できる」とコメント。今回の2タイプの新たなコンセプト案でも、このもっとも特徴的な部分は踏襲されており、環境負荷の軽減はもちろん、客室の快適性の向上も図っていることが窺えます。
エンブラエルは今回の新コンセプトは「まだ評価段階」にあるものの、50年にわたる技術的専門知識やエンジンメーカーとの共同研究に基づいたものとのこと。同社は「これらの2モデルの研究は、二酸化炭素排出ゼロへ、技術の観点からも現実的で、かつ経済性の面でも実現可能な可能性が高い、賢明な出発点だ」としています。
【了】
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