日本のエアラインにどうですか? 国内導入ゼロのレア機が相次ぎ飛来した22年 メーカーの狙い

2022年、羽田空港では旅客機メーカーが、日本で未導入のジェット旅客機を飛ばしたり内覧会を実施したりしました。いずれも小ぶりなリージョナルジェットですが、このタイミングで日本にやってきたのにも理由があります。

5月に「A220」、11月に「195-E2」が相次ぎ飛来

 2022年、羽田空港には2度、珍しいことが相次ぐように起きました。旅客機メーカーが、日本で未導入のジェット旅客機を飛ばし、そこで内覧会を実施したのです。これらはともに、150席以下と比較的小型に分類され、国内の短距離路線を担当するような「リージョナルジェット」というものです。

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羽田空港に飛来した2機の様子。上がエアバスA220、下がエンブラエル「195-E2」(乗りものニュース編集部撮影)。

 まず5月に羽田空港にやってきたのは、エアバス社のリージョナルジェット「A220-300」(登録記号YL-ABH。ラトビアのエア・バルティック保有機)。ついで11月、エンブラエル社の「195-E2」、しかもライオンが機首に描かれたユニークな塗装の試験機「テックライオン」(登録記号PR-ZIQ)が羽田に到着し、ここでも機内の公開などが実施されています。ともに、飛来は2019年以来2度目となります。

 A220シリーズは現行のエアバス製旅客機のなかではもっとも小型のシリーズです。当初、ボンバルディアの「Cシリーズ」として開発されたモデルで、2018年、2社の業務提携によって「エアバスA220」にモデル名を変更したというユニークな出自をもちます。今回飛来したA220-300は同シリーズの大型モデルで、2クラスであれば120~150人乗りといった規模です。

 一方、エンブラエル195-E2は、国内ではJAL(日本航空)やFDA(フジドリームエアラインズ)などが導入しているリージョナルジェット「E-Jet」シリーズにおける最新派生型「E2」シリーズのひとつ。195-E2は全長41.5mと、歴代「E-Jet」のなかでも最大の胴体長で、1クラス編成であれば145席です。特徴的な「ライオンの顔」は、同社の「E2」シリーズを構成するデモ機の象徴です。「プロフィット・ハンター」との愛称で、同社は各試験機の機首に猛獣の塗装を施しています。

 A220-300、195-E2ともに飛来の目的は、アジア・太平洋地域へ向けたプロモーションツアーの一環です。A220は報道関係者などに機内を公開、一方195-E2はそれに加え、関係者向けのデモフライトも実施されています。

 旅客機メーカーは、ライバルに遅れまいと常に新たな顧客を探しています。この一環で、導入する航空会社がない国へPRツアーを行うことは珍しくありません。ツアーは、航空会社が導入を計画、あるいは考えている段階や、新型機の長距離トライアル、近隣国で航空ショーがあった場合などに行われます。195-E2は中国・珠海での航空ショーへ参加した後に飛来しました。

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