過剰スペック? 100席以下の小型機で4発エンジンの珍旅客機「BAe 146」 独自設計に無二の強み

通常「リージョナル・ジェット」は、エンジン二2発で、胴体下部に主翼を設置する低翼機のスタイルが一般的です。それに逆行するようなデザインを採用したのが「BAe 146」。4発エンジンの独自設計は、なぜ必要だったのでしょうか。

エンジン4発&しかも高翼!

 1981年9月3日、イギリスのブリティッシュ エアロスペース(現BAE システム)が開発したリージョナル(地域間輸送)向けジェット旅客機「BAe 146」が初飛行しました。この機の客席数は最大でも100席程度、「リージョナル・ジェット」に分類されるモデルではあるものの、一般的なそれとは大きく異なる珍しい設計が施されているのが特徴です。

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ブリティッシュ・エアウェイズのBae146(画像:ブリティッシュ・エアウェイズ)。

「リージョナル・ジェット」、もしくはそれに類似するジャンルのジェット旅客機は、通常、エンジンを2発搭載し、胴体下部に主翼を設置する低翼機のスタイルが一般的です。対し、「BAe 146」はエンジンを4発搭載し、胴体の上に主翼を乗せるような高翼機のスタイルを特徴とします。

 4発ものエンジンを搭載した一因として、エンジンの数が多くとも静粛性が高かったこと、仮にエンジンに支障があった場合でも、残り1発より残り3発の方がパワーロスが少なく、安全性が高いことが挙げられます。設備が十分でない空港や、空気の薄い高地や酷暑地といった立地上の理由で、エンジンパワーが必要であろう空港に発着することも多いリージョナル・ジェットでは、万が一のエンジン・トラブルの際にも、エンジン数が多い方が、いっそう安全に着陸することが可能になります。

 またBAe 146では、エンジンそれ自体のサイズ・推力は小さめのものを使用しています。これは、リージョナル・ジェットを運航する地域エアラインにあわせ、国際線をたくさん飛ばすエアラインが保有する大型機に採用されているような、大型で複雑なエンジンよりも、小型エンジンの方が整備作業上取り扱いやすく、安全性の確保、経済性の向上に有利であることもあげられるでしょう。

【写真特集】BAe 146の全貌&都市肉薄&滑走路激短の「ロンドンシティ空港」

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コメント

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3件のコメント

  1. フレアを取るとエンジンと地上が近くなるのか。
    知らなかったなー。

  2. ドリュックエアも採用していましたね。パロの空港短いのとアプローチが特殊なので。

  3. 旅客機ではありませんが
    海上自衛隊の国産哨戒機「P-1」
    機体サイズはリージョナルジェット
    サイズだが
    海上を飛行する安全性と
    目的地までの飛行時間短縮に
    エンジンが4発となってる!!