「お客さん起きてェ!!」ベテランタクシー運転手に聞く“爆睡客”対応のリアル なんて理不尽な!

「起きたら警察官」の悩ましい問題

 だいたい、警察官に身体を大きく揺さぶられると、よほどの泥酔客でも目を覚ますようですが、記憶が戻ったからといって“万事解決”というワケでもないそうです。

 客からすると突然、目の前に警察官がいるので、人によってはビックリを通り越して怒りだすのだとか。しかも少数ではなく、結構な人数の泥酔客がそのパターンになるということでした。

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村瀬沙織さんの営業車。いまやドライブレコーダーだけでなく防犯の観点からも車内カメラは必需品となりつつある(雪岡直樹撮影)。

「なんで警察がいるんだ!」「なんでこんなにメーター高いんだ!」「なんでここに連れてこられた!」

 しかも、なかには寝起きで暴れたり殴りかかってくる人までいるんだそう。そうなることも加味して警察官を呼んでおくようです。

 実際、今年あったこととして村瀬さんが話してくれたのが、先輩個人タクシーが経験した事例です。

 泥酔客が目的地についても起きないので交番の前までいき、警察官の手を借りて目を覚ましてもらおうと奮闘していたら、その泥酔客がなんと警察官を殴ってしまったのだそう。

 こうなると現行犯逮捕です。ただ、それでオシマイとはいきません。タクシー運転手にも捜査協力が求められ、そのまま警察署へと同行。調書作成に8時間も協力することになったのだとか。

 個人タクシーは売上が収入に直結するため、もしそういったことに時間を取られ営業できなくなったら、それはツラいと語ってくれました。

 過度な飲酒、泥酔はさまざまな人に迷惑をかけます。羽目を外さないよう、節度ある“大人の飲み方”を心がけましょう。

【了】

【ほろ酔いのお客さまへ】村瀬タクシーの車内に掲示された可愛らしいお知らせほか

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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