一挙開通 環2・環3・環4・環5に「環6.5」 東京「環状道路」劇的変化の2022年
ことしは東京都心の都市計画道路の中でも、環状路線で開通・拡幅完了が相次いだ年でした。有名な環七と環八以外の環状路線も、徐々に存在感を増してきています。
都心にバイパストンネルが相次ぎ開通
東京都心では2022年、戦後すぐ策定の都市計画道路が、複数工区で開通・整備完了を迎えました。特に放射道路をつなぐネットワークとして計画された「環状第1号線」から「環状第8号線」まで8本ある環状路線でも、相次いで事業区間が開通。中にはついに「全線開通」となったものもあります。
●環状第2号線
12月18日に、都心を地下バイパスする「築地虎ノ門トンネル」の新橋~築地間が開通。これにより第一京浜(国道15号)との交点である東新橋一丁目交差点や汐留交差点、浜離宮前の旧青果門前交差点を新たにバイパスするルートができ、虎ノ門から晴海までが信号なしのノンストップで直結し大幅な時間短縮が実現しました。これにより、都市計画道路の環2(外堀通り~赤坂~虎ノ門~有明)としても全線開通を迎えました。
●環状第3号線
「外苑東通り」の名称がある区間のうち、新宿区の市谷仲之町交差点~市谷柳町間(約400m)が11月9日に4車線拡幅完成。残る北側の早稲田通りまでの区間はまだ事業中で、こちらが完成すれば、港区芝公園から文京区江戸川橋まで、全て4車線道路となります。
●環状第4号線
5月26日に、新宿区の余丁町~河田町間(約330m)が開通しました。白金台から「外苑西通り」として北上してきた環4は、靖国通りのあたりで途切れています。今回開通したのは、そこから1工区飛ばした北側の、抜弁天東側を南北に突き抜ける区間です。挟まれた富久町工区も、用地取得はおおむね完了し、一部で工事が始まっています。
●環状第5の1号線
12月3日に、新宿御苑西側を抜ける「千駄ヶ谷工区」が開通。新宿三丁目を東側へバイパスするルートが、ようやく全通しました。こちらが本来の都市計画道路上の「環状5の1号線」本線だったのです。残る未開通区間は、池袋駅付近をバイパスする「雑司ヶ谷工区」を残すのみです。
●補助26号線
環状第6号線(山手通り)と環状第7号線(環七通り)の間を抜けていき、品川区八潮橋から板橋区大山までをむすぶこの都市計画道路、その位置関係から「環6.5」とも言うべき存在です。このうち、世田谷区三宿から北へ延伸し、淡島通りへ直結する約480mの区間が、10月27日に開通しました。この先、未開通の「代沢工区」「東北沢工区」を経て、「中野通り」の名称を持つ開通区間へつながる計画です。2工区はいずれも事業着手済みです。
【了】
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