次期戦闘機の共同開発「なぜイタリアも…」は過小評価? 日本も世話になっている欧州の巨星 その実態

次期戦闘機の開発をめぐり、日・英・伊が共同で取り組むこととなりました。かねて日英の共同になると言われていたなか、イタリアが入ったことを意外に思う向きもありますが、経緯を振り返れば参画は必然ともいえます。

開発がしっかりできている理由 国ぐるみ?

 海上保安庁や各地の消防航空隊などが運用しているAW139などの民間向けヘリコプターも、日本市場でシェアを拡大しているほか、レオナルドは近年日本国内でも増加しているリージョナル旅客機のATRの開発と製造にも参画(エアバスと50対50の合弁企業)しており、レオナルドの製品は日本国内でも広く使用されています。

 アメリカ企業には株主に対する配当の確保や株価への配慮などから、自社資金による研究開発が思うに任せないことも少なくないのですが、レオナルドはその前身であるフィンメカニカ時代から一貫してイタリア財務省が発行株式の30%以上を保有しています。このためアメリカ企業などに比べれば売上高と比較して研究・開発に投じる資金が大きく、その資金で開発された新技術を投じた製品を市場に送り出していることが、世界において高い競争力を得ている理由の一つだと筆者は思います。

 またレオナルドはGCAPに参加するBAEシステムズ、エアバスと共同でユーロファイターの開発と製造を手がける企業体や、世界最大級のミサイルメーカーであるMBDAを設立するなど、他のヨーロッパ企業との協力により、イタリアや自社のみでは開発と製造が困難な製品を市場に送り出しています。

 イタリアの工業製品が日本で過小評価されているのは、1960年代から90年代ごろまでのイタリアの工業製品、とりわけ自動車でトラブルが多く発生したイメージによるところが大きいのではないかと思います。あるいは第二次世界大戦で、日本とドイツは1945(昭和20)年まで連合国との戦いを続けますが、イタリアはいち早く1943(昭和18)年10月に連合国に降伏した歴史的経緯もまた、一部の日本人がイタリアに対してネガティブなイメージを持つ理由の一つかもしれません。

 しかし、世界的に見るとレオナルドの製品は世界市場で大きな存在感を示しています。GCAPの開発にあたり、イギリスだけでなくイタリアとも謙虚な姿勢で協力を進めていくことは、成功のために不可欠であるとも筆者は思います。

【了】

※一部修正しました(12月30日8時09分)

【!!】レオナルドが発表した「次期戦闘機」最新イメージ画像

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

3件のコメント

  1. Grobal → Global。まだ間違ってる。

    • ご指摘ありがとうございます。修正しました。

  2. 正直イタリアと共同開発と聞いてプロペラ機になるのかと思いました。

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