「イージスシステム搭載艦」とは何か 2208億円の巨額予算は“建造費”じゃない 巨大化する構想
防衛省が「イージスシステム搭載艦」の整備費として2208億円を計上しました。これは建造費ではなく、エンジンや装備の取得費です。ミサイル防衛の要となる装備ですが、建造方針から2年を経て、“大風呂敷”になってきています。
イージスシステム搭載護衛艦とは違う イージスシステム搭載艦
防衛省は2022年12月23日(金)に発表した令和5(2023)年度予算案に、「イージスシステム搭載艦」の整備費として2208億円を計上しました。「統合防空ミサイル防衛能力」約9867億円のうちの主要項目であり、単独項目として大きな予算を占める「イージスシステム搭載艦」とは何なのかを紐解きます。
政府は2017年、北朝鮮(朝鮮人民民主主義共和国)の相次ぐ弾道ミサイルの発射実験などにより、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、その対処に追われる海上自衛隊の、いわゆるイージス護衛艦の負担が増加していたことから、イージスシステム搭載護衛艦の戦闘システムを地上に設置した「イージス・アショア」の導入を決定していました。
しかし2020年6月、河野太郎防衛大臣(当時)がイージス・アショアの配備プロセス停止を表明。弾道迎撃に使用するSM-3の補助推進装置(ブースター)を演習場内へ確実に落下させるためにはソフトウェアの修正に多額の経費が必要となることや、防衛省の設置予定地に対する説明に不手際があり、地元自治体の理解が得られなかったことなどが背景にあります。
この時点で防衛省は、イージス・アショアで使用するAN/SPY-7(V)1レーダーなどを発注しており、政府はこのレーダーを活用する、イージス・アショアに代わる新たなミサイル防衛の手段を模索。その結果、2020年12月にAN/SPY-7(V)1レーダーなどを搭載するイージスシステム搭載艦2隻を建造する方針が示されました。
当時の防衛省はイージスシステム搭載艦をミサイル防衛能力に特化した艦と位置付けており、弾道ミサイルの迎撃以外の防空、対艦、対潜戦能力を持つイージスシステム搭載護衛艦とは一線を引くため、「イージスシステム搭載艦」と呼ばれるようになったと言われています。
ただ、イージスシステム搭載艦をミサイル防衛に特化した艦とする事に対して、運用を担当する海上自衛隊は難色を示していました。
本記事1ページ目下から9行目あたりから「この時点で防衛省は、イージス・アショアで使用するAN/SPY-1(V)1レーダーなどを」と記載されていますが、これはAN/SPY-7(V)1レーダーの誤りではないですか?
記事記載のAN/SPY-1(V)1レーダーは海上自衛隊のこんごう型、あたご型、まや型には採用されていますがイージスアショア用に発注済みであったのはAN/SPY-7(V)1レーダーであったように思うのですが。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
イージスアショア搭載メガフロートを米軍と協働運用して竹島と尖閣諸島に配置すればいいと思います。
河野をクビにしても一回アショアでやり直すべき。どう頑張っても脆弱だし金と人材の無駄遣い。沈められてモスクワみたいにいいネタにされるのがオチ。
ズムウォルトのように成功することを祈っています!