「イージスシステム搭載艦」とは何か 2208億円の巨額予算は“建造費”じゃない 巨大化する構想

防衛省が「イージスシステム搭載艦」の整備費として2208億円を計上しました。これは建造費ではなく、エンジンや装備の取得費です。ミサイル防衛の要となる装備ですが、建造方針から2年を経て、“大風呂敷”になってきています。

陸自隊員が乗組員に

 国家防衛戦略には、陸上自衛隊員3000名を海上自衛隊と航空自衛隊に移籍させる旨も明記されています。これについて酒井良海上幕僚長は、12月20日の記者会見で、海上自衛隊に移籍する陸上自衛隊員をイージスシステム搭載艦の乗員に充てると明言しています。

 海上自衛隊は「我が国の防衛と予算(案)」で、イージスシステム搭載艦の耐洋性と乗員の居住性を高めるとしていますが、これは陸上自衛隊から移籍する隊員の乗務への考慮によるところも大きいのではないかと筆者は思います。

 また「我が国の防衛と予算(案)」には「既存イージス艦と同等の機動力を保持」し、かつアメリカミサイル防衛庁が開発を進めている極超音速兵器を迎撃する新型ミサイルの搭載などを可能にする拡張性を与える、とも明記されています。

 防衛省は令和5年度予算案でイージスシステム搭載艦のエンジンやVLS(垂直発射装置)などの取得を計画していますが、2208億円という予算額は、イージスシステム搭載護衛艦「まや」の建造費約1680億円を上回っています。

 これは2隻分のエンジンやVLSの取得費です。「まや」が建造された当時(2017~2020年)に比べれば円安が進み、また物価が上昇していることなどを考慮して比較する必要はありますが、そうしたとしても、イージスシステム搭載護衛艦より大型で強力なエンジンを搭載し、VLSの数も多い艦になるのではないかと筆者は思います。

※一部修正しました(1月10日12時40分)。

【了】

【イメージ図公開!】イージスシステム搭載艦の全貌(画像)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

5件のコメント

  1. 本記事1ページ目下から9行目あたりから「この時点で防衛省は、イージス・アショアで使用するAN/SPY-1(V)1レーダーなどを」と記載されていますが、これはAN/SPY-7(V)1レーダーの誤りではないですか?

    記事記載のAN/SPY-1(V)1レーダーは海上自衛隊のこんごう型、あたご型、まや型には採用されていますがイージスアショア用に発注済みであったのはAN/SPY-7(V)1レーダーであったように思うのですが。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  2. イージスアショア搭載メガフロートを米軍と協働運用して竹島と尖閣諸島に配置すればいいと思います。

  3. 河野をクビにしても一回アショアでやり直すべき。どう頑張っても脆弱だし金と人材の無駄遣い。沈められてモスクワみたいにいいネタにされるのがオチ。

  4. ズムウォルトのように成功することを祈っています!

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