大ヒット機の異端児! 「胴体がやたら短いエアバスA320」の伝説 英国ではユニーク活用法も
「ベビーバス」の超ユニークな活用法
イギリスのBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)ではA318を、32席仕様のオールビジネスクラス仕様機とし、裕福層向けのロンドン~ニューヨーク線を運航していました。同路線では、ニューヨーク行きでは経由地にて税関と入国審査を実施することで到着後の時間を節約できるなど、独自のサービスを掲げていました。便名はかつて超音速旅客機「コンコルド」運航便で用いられた「1便」「2便」です。
この路線でのロンドンの発着空港は、国際線の玄関口、ヒースロー空港ではなく、ロンドンシティ空港を使用。ロンドンシティは市街地へのアクセスに優れているものの、滑走路が短く降下角度が急であることから、就航できるジェット機は限られています。
そこでエアバスは、通常3度の降下角のところを5.5度まで対応できる「Steep approach(急角度アプローチ)」の機能をA318に備えることで、同空港への就航を可能としました。
エアバスでは現在、同社製旅客機のなかではもっとも小型のシリーズである「A220」を主力商品に掲げています。A220の標準型「A220-100」は100-135席の座席数で、まさにA318の後継機といえるモデルです。
A220は、ボンバルディアの「Cシリーズ」として開発されたモデルで、2018年、2社の業務提携によって「エアバスA220」にモデル名を変更したというユニークな出自をもちます。なおこの「次世代のベビーバス」ともいえるA220も、BAのA318と同等の性能をもつ「Steep approach(急角度アプローチ)」認証を得ているほか、1500m程度の滑走路でも離着陸可能な性能を持ちます。
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