改良型「ルクレール」戦車 フランス軍事省が正式発注 第1ユニットは2023年納入

2029年までに運用中のほぼ全車を改良する計画だそう。

改良型の名は「ルクレールXLR」

 フランス軍事省兵器総局(DGA)は2023年1月12日(木)、同国防衛企業ネクスターに対して改良型「ルクレール」戦車50両を正式に発注したことを明らかにしました。

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2022年6月にパリで開催された兵器展示会「ユーロサトリ2022」で展示された「ルクレールXLR」(画像:ネクスター)。

 すでに2021年6月にはネクスターに対して計画のスケジューリングが通知されており、改良型のプロトタイプは2022年12月末に兵器総局へ納入されています。

 この計画スケジュールに従って2023年には最初のユニット分18両がフランス陸軍に引き渡され、追って2024年までに残り32両、2028年までに150両が引き渡される予定です。

 改修内容は、おもにリアルタイムでの情報共有システムの構築と生残性向上にあります。具体的には戦闘情報システム(SICS)、通称「スコーピオン」の搭載にあるそう。これは偵察戦闘車両や歩兵戦闘車両、砲兵車両、指揮車両などの間で共通のべトロニクス(車両電子機器)を搭載することで、常時、情報共有を可能にするものです。

 生残性向上については地雷やIED(即席爆発物)、対戦車ロケットなどの攻撃に耐えられるようにするもので、それに関連して新たにIEDの起爆妨害装置やレーザー警報システムなどが増設され、最高レベルの防御力に引き上げるとしています。

 ほかにも砲塔上面に市外戦用の7.62mm機関銃搭載の遠隔操作銃塔(RWS)を増設し、さらに射撃管制システムを新型のものに換装するなどの改良が施されるとのことです。

 なお改良されたルクレールは新たに「ルクレールXLR」と呼ばれるようになるとのこと

 フランス陸軍では現在、約220両の「ルクレール」戦車を運用していますが、これらのほとんどを2029年までに改装し、「スコーピオン」システムに統合化できるようにするとしています。

【了】

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