ロシアもう後がない? ついに最新戦車T-14をウクライナ至近へ配備した理由 ハッタリなのか?

計画通りに進んでいないT-14の調達状況

 T-14の最大の特徴は、第3.5世代MBTとして、西側の最新戦車に勝るとも劣らない最新テクノロジーが盛り込まれている点です。ロシア最新鋭のため、細部を語り出すとキリがありませんが、最大の特徴は防御力の強化と乗員の生残性向上です。そのために砲塔は完全に無人化され、乗員3名が車体内に設けられた装甲カプセルに横並びで乗車する形を採っています。

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ロシアが誇る最新鋭戦車T-14(画像:ロシア国防省)。

 これに付随して、旧ソ連とロシアが先鞭を付けた主砲の自動装填装置も最新のものが搭載され、砲塔上面にはリモコン式の機関銃や大型の全周旋回式視察装置などを備えています。

 しかし予算上と技術上、双方の問題に加えて、必要な西側製部品の供給に関する問題などから生産計画に滞りが生じており、一般公開から8年近く経つものの、いまだ完成車両は20両程度なのではないかと言われています。おそらく、実際にはもっと多くの完成車両があると考えられますが、2016年にロシア国防省が契約した「2020年までにT-14の量産試作型100両を納車せよ」という要請は、達成されていない可能性が濃厚です。

 このような状況のため、T-14の実用性や信頼性の確認はまだ不完全であり、だからこそ、演習場で衛星写真に捉えられたのでしょう。

 そうだとしたら、なぜロシアは「お題目こそ立派ながら、まだ実力評価が終わっていない」T-14の実戦投入を考えているのでしょうか。

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コメント

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1件のコメント

  1. う~ん
    正直、開戦直後なら”ウクライナなんぞは、T-80,T-90で鎧袖一触でT-14を使わなくても終わる。”と言うところだったのが、結局はT-14を出さざろう得ないし、さりとて出して撃破されては目も当てられないジレンマに陥っているのでは?
    ヒットラーの「ソ連は土台が腐った納屋だ。扉を一蹴りすれば倒壊する。」のデジャブだわな。