チェーンはどっちのタイヤに? スリップの危険度が爆上がりする“付け間違い” 4WD特に注意

たまにしか雪が降らない地域では、スタッドレスタイヤを履かず、万一の積雪にやむを得ずチェーンを装着するケースも多いかと思われます。そのとき問題なのが、チェーンをどのタイヤにつけるかです。

基本的には“駆動輪”に装着する

 首都圏では大雪に際しても、スタッドレスタイヤなどに履き替えていないクルマが多々見られます。いざというときはチェーンを付ければいいと考えるものの、教習所などで付け方を習っていない、という人も多いのではないでしょうか。

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チェーンを装着したタイヤ(画像:PAKUTASO)。

 チェーンの装着方法は種類ごとに異なりますが、特に注意しなければならないのが、どのタイヤに装着するかです。タイヤ用チェーンの箱を開けると、チェーンは2本しかありません。それはクルマの駆動輪につければ効果が発揮されるからです。

 駆動輪とはクルマのエンジンから動力が伝わり、動く方のタイヤのことです。クルマの区道方法は大別してFFとFRがあります。FFは前輪駆動つまり前のタイヤが動くタイプで、FRは後輪のタイヤが駆動します。

 事前に自身のクルマがどちらの方法で駆動しているかチェックしておけば混乱しません。今では車検証を確認しなくても、車種さえわかれば、自動車メーカーのホームページ上でもすぐに確認が可能です。

 ただ四輪で駆動する4WDの場合は、車種によってチェーンの付け方が違います。2輪駆動から4輪駆動に切り替えられるパートタイム4WDでは、基本的に2輪駆動のとき駆動輪になっている方のタイヤにチェーンを付けます。

 常に4輪駆動であるフルタイム4WDの場合は、さらにややこしくなります。元のクルマがFFベースかFRベースであるかで、前後の駆動の配分割合が違うからです。多くの場合はクルマの取扱説明書に「チェーンは〇輪に着けてください」と説明があるようです。

 一方、スポーツモデルの場合、ボディーとタイヤの隙間が狭く、「チェーン取付不可」とされている車両もあります。その場合は事前にスタッドレスタイヤを用意するしかありません。

 なお、駆動輪以外にチェーンをつけても、ほとんど意味がありません。未装着とほぼ変わらないので、急ブレーキや坂道発進などで、スリップする可能性が大きくなってしまいます。JAF(日本自動車連盟)が2018年12月に実験したところ、圧雪された勾配12%の坂を、誤ったタイヤにチェーンを装着したクルマはスリップして登れなかったそうです。また旋回テストでも、操舵輪である前輪が滑ってしまい、走行ラインが外側に大きく膨らんでしまったといいます

【了】

【実験結果】チェーンをつけ間違えると全く意味がない

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