「広島~浜田55分」果たせなかった高速“陰陽連絡”鉄道 島根に残る2本の未成線「今福線」

広島市と島根県浜田市を結ぶ予定だった「今福線」の痕跡は、島根県側に今でも多く残っています。開業できなかった嘆きの声が聞こえるというアーチ橋など、今や観光資源と化しつつあります。

浜田市内に残る2本の“未成線” 出発地・目的地はどちらも同じ

 島根県浜田市は2005(平成17)年に1市4町村の合併が施行され、クルマで端に移動するだけでも1時間近くかかるほど。広大な市域に、かつて建設が行われていた2本の鉄道の跡が残っています。

 

 1本は、戦前に建設が進んでいた「今福線」。そしてもう1本は、戦前に建設された区間のうち一部を別ルートで建設し直した、同じく「今福線」。どちらも広島~浜田間を結ぶ幹線鉄道の一部となるはずでしたが、開業は叶いませんでした。

 市内に多く残る高架橋やトンネルは、「広浜鉄道今福線遺跡群」として案内看板なども整備され、クルマやバイクで訪れやすくなっています。広大な浜田市内をドライブがてらに巡りつつ、同じ市内にある新旧2つの鉄道未成線(開業できなかった鉄道施設)を見比べてみましょう。

Large 20230219 01
今福周辺では、戦前建設の旧線と戦後建設の新線が並行している(宮武和多哉撮影)。

山肌に映える“新旧の造形美”コンクリート橋

 浜田駅の南東に位置する山間の浜田市佐野地区では、新旧ふたつの未成線がほぼ並行しており、戦前に建設された旧線は川沿いに山陰本線 下府(しもこう)駅方面へ、新線は正面の山を最短距離で貫いて、現在のJR浜田駅に向かっています。

 このあたりでは新線側の橋が歩いて渡れるようになっており、戦前に建設され朽ち果てかけた旧線の橋梁と、戦後に建設され今もひび割れる様子のない新線の橋梁を見比べられるところもあります。

 また下府川の少し下流には、4連のアーチを描く鉄道橋が道路として改良されているところもあり、クルマやバイクも走りやすく、ドライブスポットとして最適です。橋上は見晴らしが良く、手前側で停車してのんびり歩いてみるのもいいでしょう。

 この橋は「おろち泣き橋」とも呼ばれ、橋の下の1か所で「鉄道が完成しなかったことによるオロチ(龍)の嘆きの声」が聞こえる、ともいわれ、立て看板にもそう書いてあります。確かに橋の下では何かが響くような音が聞こえますが、実際には真下を流れる川のせせらぎがアーチの下部に反射する「フラッターエコー」(音の多重反射の一種)、という説も。“嘆きの声“説を信じるのも信じないのも、あなた次第。

【未成線は2つある】浜田に残る今福線の遺構群(地図&写真で見る)

【鉄道計画特集】新路線 新駅 連続立体交差事業 次に開業するのはどこ? 過去にあった「幻の新線計画」は?

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス