「中国スパイ気球」なのか…? 3日連続で撃墜 北米で次々に未確認飛行物体が見つかるワケ

2023年2月に入ってから、アメリカ軍戦闘機による中国スパイ気球と思われる未確認飛行物体の撃墜が立て続けに起こるようになりました。なぜ、ここにきて急に発見されるようになったのか、実は理由がありました。

小型のF-16戦闘機も気球撃墜を記録

 アメリカ空軍は2023年2月4日、自国上空に飛来した中国の高高度偵察気球をF-22「ラプター」戦闘機で撃墜しましたが、その後も自国と隣国カナダ上空で同じような飛行物体を戦闘機で撃ち落とす事例が相次ぎました。その数、3日間で3件。なぜ、ここまで急に連日のように発生するようになったのでしょうか。順を追って詳細を見ながら、その理由を推測してみましょう。

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2023年2月12日、アメリカ本土上空で飛行物体を撃墜したミネソタ州空軍のF-16「ファイティングファルコン」戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

 まず、2月4日の次に確認されたのが、1週間後の10日(金)のこと。アメリカ国防総省は、ロシアにほど近いアラスカ州北部の領海上で「高高度物体(high-altitude object、米国防総省資料より)」を撃墜したと発表しています。このとき使用された戦闘機と火器は、4日の偵察気球を撃墜したのと同じF-22「ラプター」とAIM-9X「サイドワインダー」でした。

 続いて、翌11日(土)にもカナダ北西部ユーコン準州の上空にて、未確認の飛行物体が発見され、こちらも同様にF-22とAIM-9Xの組み合わせによって撃ち落とされています。なお、この飛行物体は撃墜が決まるまで、そのF-22とカナダ空軍のCF-18「ホーネット」戦闘機、そしてCP-140「オーロラ」海洋哨戒機によって監視されていたそうです。

 そして、最新の事例が12日(日)14時42分(日本時間13日4時42分)にミシガン州ヒューロン湖上空で発生したものです。これについてはF-16「ファイティングファルコン」戦闘機がAIM-9X「サイドワインダー」ミサイルを使って撃墜したとのこと。こちらの空域はカナダ国境と近かったため、前回の11日と同様にカナダ空軍のCF-18も発進して追跡を行ったそうです。

 2月4日の撃墜を始まりとすると、それから1週間ほどの間に4件の撃墜事例が発生したことになります。特に最初の撃墜は、その対象物が中国の高高度偵察気球であるとアメリカ政府が認め発表したこともあり、大々的に報道されて世間の注目を集めました。

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