2分で走破!?「東京で最も短い国道」のナゾ あまりに中途半端な“起点”の理由

起点は「東京港」昔は中途半端じゃなかった?

 法令上の国道130号の起点は「東京港」とされています。この路線は、いわゆる「港国道」のひとつ。国の重要港湾や飛行場と主要国道を結ぶ国道を指し、路線距離が短いものが多いことで知られます。ちなみに、全長187mで“日本一短い国道”の174号も、「神戸港」と国道2号を結ぶ路線です。国道130号は日本で3番目に短い路線とされます。

 その「東京港」とされる起点が、先ほどのゆりかもめ高架下の中途半端なポイントなのはなぜか、歴史を振り返ると理由が見えてきました。

 この起点があるのは日の出地区で、橋を渡った芝浦ふ頭とともに、東京港でも早い時期にできた埋立地のひとつです。かつては汐留駅(初代の新橋駅)から南へ、日の出・芝浦両地区を縦貫するように、貨物線が延びていました。2本並行していた貨物線のうちの山側ルートを、現在、ゆりかもめの高架が通っています。

 つまり国道130号の起点は、かつて貨物線が横ぎっていたところに置かれています。国道制定当時、ここから海側は芝浦貨物駅となっていました。国道130号は、港の貨物施設と国道15号を直結していたのです。

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国道130号の起点はゆりかもめの高架下(乗りものニュース編集部撮影)。

 それから首都高ができ、同じころに貨物駅は芝浦ふ頭へ移転。しかし1985(昭和60)年に駅も貨物線も廃止され、1995(平成7)年には貨物線跡にゆりかもめが開業しています。

 いまは日の出の旧貨物ヤードから芝浦側へ向かう道路橋(新日の出橋)もでき、一帯の風景は大きく変わりました。しかしながら、水路や線路が複雑に張り巡らされた周辺一帯で、第一京浜へ出ようとする場合、国道130号が最も短く簡単なルートであることは、変わっていないのかもしれません。

【了】

【東京イチ短い】国道130号の地図&過去(画像で見る)

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