「とにかく出勤しなきゃ」2.26事件 戒厳令下での鉄道は? やっぱり変わらぬ人々の“行動”

1936年2月26日、後に2.26事件と呼ばれることになる、日本陸軍青年将校たちのクーデター未遂事件が発生し、国は関東大震災以来となる戒厳令を発令します。この際、交通機関はどうなったのでしょうか。

80年以上前から“とりあえず出勤の努力をする”国民性だった

 しかし、29日に午前5時に討伐命令、午前8時30分に攻撃命令が下ると、状況は変わってきます。一般電話も電信も市内以外不通となり、鉄道に関しては、東京市内への列車の進入が禁止され、東海道線横浜駅、東北線川口駅、総武線市川駅で国鉄は完全に遮断され人の往来はほぼなくなりました。

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昭和初期に完成した大宮駅駅舎、写真は昭和30年代のもの(画像:さいたま市)。

 ですが、この厳戒体制は長く続きませんでした。午前8時55分には有名な「兵に告ぐ」と題した賊軍であることを強調するラジオ放送が行なわれ、反乱部隊の下士官兵は午後2時までには原隊復帰。青年将校の多くも法廷闘争に切り替えるとして、投降し、反乱は終息しました。

 国鉄では、同日の午後1時の段階で、全ての路線の運転を再開しました。厳戒態勢からわずか半日での再開でしたが、午前5時台の始発から急に列車を止めたため大混乱が起きていました。

 当時、中野、高円寺、荻窪あたりに住居を構えるサラリーマンたちは「とりあえず新宿駅に出ればなんとかなるだろう」と思ったようで、その人々が新宿駅に殺到し、同駅は大混雑になっていたのです。

 結局、新宿駅に来た時点で再開前に諦めて引き返す人、勇敢にも徒歩で職場へ向かう人、運転再開を期待し、新宿駅で待機する人の3タイプに分かれたそうです。ちなみに埼玉県からのサラリーマンも上野着の列車が打ち切られた大宮駅でかなりの人々が足止めにあったようで、同駅の駅員講習室や駅員宿舎を臨時の待合室とし、乗客に開放されました。

 とりあえず出勤の努力をしようという姿勢は、どこか2011年の東日本大震災の際や大雪の時の首都圏住民の動きと似ており、日本国民の本質は変わっていないのかもしれません。

 なお、厳戒態勢ではないものの、戒厳令の効力はその後、同年の7月16日まで続きます。特に憲兵が厳しく取り締まった訳ではないようですが、東京では、お祭りやイベントなどの自粛や規模縮小があったそうで、こちらも2020年からのコロナ禍での自粛をイメージしてしまいます。

※一部修正しました(2/26 20:21)

【了】

【写真】当時山手線を走っていた車両ほか

Writer:

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

2件のコメント

  1. 「一部陸軍将校の放棄がアナウンスされたのは〜」何を捨てたのか…

    蜂起ですよねぇ〜

    一度も読み返さずに記事をアップされているのでしょうか?

    訂正をお願いいたします。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

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