沖縄防衛利用で揺れる「下地島空港」 軍用機も発着可な宮古空港を差し置き 国が使いたいワケ

沖縄の宮古島と橋でつながる下地島空港が、将来的に防衛利用されるかどうかで大きく揺れています。軍用機も条件次第で発着できる宮古島のメイン空港である宮古空港ではなく、なぜ、あえて下地島空港なのでしょうか。

なぜ下地島空港に注目が集まるのか

 ただし、そういった状況下でも、防衛省が下地島空港を活用したがっているのには、空港設備上の理由も大きいでしょう。

 宮古空港の滑走路の全長が2000mなのに対して、下地島空港は3000mあります。ジェット戦闘機や貨物を満載した輸送機には、滑走路の全長は3000mほどが必要です。沖縄県の空港の多くは、離島などを結ぶコミューター路線の就航を前提につくられたことから、滑走路が短いのです。対し、下地島空港は、航空会社の乗員がジェット旅客機の離着陸訓練に使っていたため、同県の空港では珍しい3000mの長さで整備されました。それが結果として、現在、戦闘機や輸送機の発着に好都合な要因になっています。

 また、宮古空港と異なり、下地島空港は滑走路に平行した誘導路を備えています。そのため、離着陸のたびに都度、滑走路の端まで行き転回する必要のある宮古空港と比べ、下地島空港は、発着機が滑走路を占有する時間は短くなります。こうしたことも編隊で行動するジェット戦闘機の運用に向いています。

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宮古空港でJTAのボーイング737の後ろを進む海上自衛隊のP-3C(2023年2月、清水次郎撮影)。

 下地島空港の利用について、合併前の旧伊良部町の町議会は自衛隊の訓練の誘致決議を可決したことがありますが、後に撤回しています。これは、町民の反発や米軍の利用が警戒されたということです。

 しかし現在、航空会社の訓練はシミュレーターが活用されるようになり、以前の訓練空港時代と比べると、下地島空港の便数は少なく静かになっています。しかし、沖縄県自体の観光人気も高いほか、軍事利用はこの地域の緊張を高めることになるとして、沖縄県は同空港を民間利用に徹していきたい考えです。

 一方、2023年2月に米国内の気球撃墜で明らかになったように、中国は他国に軍事力を利用したプレッシャーをかけており、台湾有事の懸念は拭いきれません。日本を取り巻く安全保障環境が好転しない限り、下地島空港の利用は国と沖縄県、地元自治体にとって課題であり続けるでしょう。

【了】

【え?マジでコレ空港?】現在の下地島空港、リゾート感MAXだった件!

Writer:

飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。

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