円盤のせた早期警戒管制機「A-50」ベラルーシで破壊と一部報道 ロシア軍作戦見直しか
ドローンによる攻撃とのこと。
パルチザンの攻撃によりロシア攻守の要が損傷を負う
現地時間の2023年2月26日、ウクライナを支援するベラルーシのパルチザンは、ベラルーシに駐機していたロシア空軍の早期警戒管制機(AWACS)A-50に、ドローン攻撃で深刻な損傷を与えたと発表しました。
ロシア当局は正式の発表を行っていませんが、この件に関して、イギリス国防省はミンスク・マシュリシチ空軍基地において同機が攻撃され、重大な損傷を受けただろうと、公式Twitterで伝えています。ほかにも、ラジオ・フリー・ヨーロッパは、一部のベラルーシ人からの情報として、リトアニアおよびポーランドと接する国境地帯の警備体制を同国が強化したことを報じており、同機がなんらかの損傷を負ったことは確実視されているようです。
また、ウクライナの国営メディアであるウクルインフォルムでは、同機の機体の前部と中央部、複数の電子機器やレーダーアンテナが損傷し、現在は飛行不可能な状態であると報じています。
A-50は、損傷した機体を含めてもロシア空軍では9機しか保有していない機体で、偵察と空中目標の検知、ミサイル攻撃のターゲットの検出などを主な任務としています。ベラルーシの空域からでもウクライナの幅広い空域をカバーできるため、ウクライナ侵攻が始まって以降、その広い探知範囲によってロシア空軍の航空作戦にレーダー監視能力を提供してきました。しかし、同機が損傷したため、ロシアの航空作戦はさらに制約される可能性が高いと、イギリス国防省は見解を述べています。
しかしAP通信では、アメリカの宇宙技術会社「マクサーテクノロジーズ」が2月28日に公開した、マチュリシ空軍基地に駐機してある同機の画像を確認したところ、パルチザンらが主張する深刻な損傷は見られないと報じています。ただ、機体上部にある特徴的な円形のレドームに、以前にはない変色が確認されたともしており、依然として、損傷状況については不明な部分もあるようです。
なお、ベラルーシのルカチェンコ大統領は、2月に入りベラルーシに対する攻撃が行われれば反撃すると発言しており、自国のパルチザンの攻撃とはいえ、今後の動きが警戒されています。
※一部修正しました(3/1 18:00)
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