ファストフードの元祖? 秋葉原・御徒町駅の「ミルクスタンド」なぜ生き残ったか 外国人もwow!

牛乳と菓子パンで、どう戦ってきたのか

 そうした駅のミルクスタンドのほとんどが、自動販売機の普及などで廃業した現在、同様の形態のミルクスタンドは全国でも、この「ミルクショップ酪」を経営している大沢牛乳の店舗しかないようです。大沢牛乳は1950(昭和25)年創業で、秋葉原駅に2店舗、御徒町駅に1店舗を展開しています。

 店先には、商品写真とともに「まろやかでコクのある風味!」などの宣伝文句を入れた短冊がびっしり。ミルクスタンドと銘打っているだけあって、大手メーカーの乳飲料のほか、今まで見たこともない商品も多く、「地域限定生産」のレア商品も取り揃えています。

 当初はメジャー会社の乳飲料のみのラインナップでしたが、「商品を置いておくだけでは、だんだん売れなくなってきてね……そんな状況のなかで生き残るために、全国各地から本当に美味しい商品を仕入れるようにしました」と、社長の大沢一彦さんがかつてを振り返ります。

 2000年頃から経営転換を図り、ご当地牛乳の取り扱いを開始。これが、現在の“牛乳好きの聖地”という特別なミルクスタンドとなる土台となります。

Large 230301 milk 02

拡大画像

「ミルクショップ酪」の乳飲料とあんパン(伊藤岳志撮影)。

 とはいえ当初は、苦労の連続だったといいます。乳業メーカーとのコネもパイプもないので、ラインナップ拡大のためには大沢社長が自ら動き、電話攻勢などで口説き落とすしかありません。「現地のメーカーさんと掛け合って、こちらが高額な配送料を負担してでも、その商品を置いて販売しているのです」(大沢社長)。

 その甲斐もあって、現在は全国15社ほどの牛乳メーカーとの強固なパイプを築き、地方の名品を取り揃えることに成功。福島の酪王牛乳、千葉のかずさ牛乳、岐阜県の飛騨牛乳、高知のひまわり牛乳……基本的にはその地方でしか味わえないローカル牛乳の名品が、ここでは一度に味わえます。

【マジで秒だ!】ミルクスタンドの神業オペレーションを見よ!(写真)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 子供の頃から何回利用させて貰っただろう。牛乳は好きだしそしてとても沢山の種類が沢山あってしかも美味しい。末長く続いて欲しい。