「金返せ!」鳴り物入りで就役、でも期待ハズレだった空母3選 ジェット機運用できてもトラブル続き

退役後も解体を巡って紛糾! 最期は自沈の「サンパウロ」

 2022年末から2023年2月にかけて、その処分方法を巡って紛糾したことで記憶にも新しいのが元ブラジル海軍の「サンパウロ」です。

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アメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」(奥)と「サンパウロ」(画像:アメリカ海軍)。

 元々は、フランス海軍の空母「フォッシュ」で、クレマンソー級航空母艦の2番艦として1963年7月に竣工しています。フランスでは姉妹艦の「クレマンソー」と共に、1970~1990年代にフランス海軍が行った主要な軍事行動には全て参加し、アメリカ海軍以外の西側空母として存在感を発揮しました。

 それを2001年にブラジル海軍が買い取り再就役させたのが「サンパウロ」ですが、2005年に火災事故を起こします。この損傷を機に、大規模な改修が施されることになったものの、その後エンジン、推進シャフト、カタパルトなどで不具合が頻発、さらに老朽化したパーツのスペア不足も重大な問題となりました。加えて2012年には再び火災を起こします。

 結果、ブラジル海軍は2017年2月に近代改修を打ち切り、「サンパウロ」の運用終了を発表します。満足に任務をこなせていたのは最初の数年だけと言われており、1200万ドル(約16億円)という空母ではかなり安い買い物だったものの、その後の改修費などを考えると余分に莫大なコストがかかったともいえるでしょう。

 さらに同艦は退役後も問題を起こします。2022年8月にアスベスト問題で、環境保護団体や野党から抗議されたトルコが受け入れ拒否するとブラジル本国へ引き返しますが、今度は母国側が入港を拒否。3か月ほどブラジル沖を漂流し、結局、環境保護団体の猛抗議の中、2023年2月3日、同艦は自沈させられました。

【画像】勿体無い…無駄に終わった空母たちの姿がコチラ

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コメント

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2件のコメント

  1. 不愉快極まりないです

  2. かけるべき金をかけなかっただけで、金返せではないな