陸自の新拠点「石垣駐屯地」…なぜ“基地”じゃない? 格の違い? いえ役割の違いです!!
「分屯地」「地区」「分屯基地」なるナゾ拠点が示す意味
ここで気になるのが、陸自には「分屯地」、海自には「地区」、空自には「分屯基地」があるという点です。
これは、それぞれ親となる「駐屯地」や「基地」があって、人事や総務、給与や糧食、会計などは大元の「駐屯地」や「基地」が司り、部隊を運用するために必要な最低限の機能だけを「分屯地」や「地区」、「分屯基地」に分派しているということになります。
そのため、分屯地司令や分屯基地司令には、駐屯地司令や基地司令よりも一段格下となる指揮官が就いています。ただし、海自の「地区」に関しては「地区司令」というポストは存在せず、それぞれの地区に所在する部隊長が地区司令のような職務を兼務しています。
ちなみに、駐屯地と基地では売店の呼び名も違います。前者は「駐屯地=POST」なので「PX(ポスト・エクスチェンジ)」、後者は「基地=BASE」なので「BX(ベース・エクスチェンジ)」となっています。なお、駐屯地の英語表記は「CAMP」が良く使われますが、国土交通省が設置している道路標識では「STATION」という表記も見られることからブレが生じています。
これについては、陸上自衛隊では駐屯地の英語表記として表向きにはイメージしやすく「CAMP」と表記しているものの、内向きには「STATION」を使用していることから、もしかしたら行政文書なのか否かによって使い分けているのかもしれません。
ちなみに、こうした違いは駐屯地や基地などの一般開放日に発見することができます。これらの他にも両者の違いを発見できる場合もあるので、公開イベントなどで訪れた際には細かいところにまで目を配ってみてください。ひょっとしたら新たな発見があるでしょう。
【了】
Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
航空自衛隊には分屯基地が彼方此方にありますね。米軍も駐屯している施設と併設されていることもあり、ミサイル関連の発射基地などもあります。すごい田舎のすごい目立たない場所にあるけど、普通にマップに載っているだけに敵国からの攻撃に晒される可能性もあるからでしょうね。