箱根の"まともな迂回路"!?「伊豆湘南道路」熱海~伊豆直結へ前進中 2023年もルート決定へ調査続行
小田原から熱海、三島へ…鉄道では当たり前ですが、道路は狭いままです。
ルート決定へ2段階目の議論終了
国土交通省 関東地方整備局は2023年度の道路予算や調査計画を発表。その中で、構想中の高規格道路「伊豆湘南道路」について、引き続き「計画の具体化に向けて神奈川県及び静岡県と連携して進めます」としています。
相模湾に面して行楽地が連なる、小田原~熱海~伊豆半島。鉄道ではJR東海道線が伸び、真鶴・湯河原・熱海から丹那トンネルを抜けて三島へつながっています。
しかし道路は狭い国道135号があるだけで、寸断されればすぐに沿線が孤立状態となる状況。熱海~三島の山越えもクネクネと迂回する県道となっているほか、箱根を経由する国道1号もヘアピンカーブと急坂が連続する難所で、「道路空白地帯」と言っても過言ではないエリアです。ここに構想されているのが伊豆湘南道路です。
関東有数の観光地を抱えることから長らく要望が上がっていたこの構想が動き出したのは、2020年に神奈川県と静岡県により開かれた「神奈川と静岡の県境をまたぐ道路(伊豆湘南道路)に関する協議会」です。全5回の委員会で概略ルート決定に持ち込むかまえで、概略ルートが決定すれば都市計画決定と環境アセスメントの手続きへ進むことができます。
そのうち2回目の協議会が3月24日に開催されました。約3万3000人からのアンケートで9割以上が「渋滞により目的地への到着時間が読めない」「災害等による通行止の際に代わりになる道路がない」ことを課題としているほか、「災害等に強く、迂回可能な道路網がつくられること」「移動時間が短縮されること」に期待を込めています。
次の委員会では、いよいよ技術的な課題の洗い出しなどが行われます。昔から箱根の火山帯として、複雑な地質であるこのエリア。東名高速は大きく北へ迂回しているほか、東海道線も新幹線も、丹那地区の活断層帯を抜けるトンネル建設で、苦戦を強いられました。国も2023年度の調査に意欲を見せている中、どのような課題があり克服していくのか、ひとつの正念場となりそうです。
【了】
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