「貨物新幹線」ガチでやる気!?「在来線積み替えホーム」予想図が公開 「中間駅」も想定

検討が始まった「貨物新幹線」。想定されている「積替基地」などの特許出願内容が明らかになりました。どのような内容なのでしょうか。

JR貨物が「貨物積替基地及びこれに用いる移動機構」の特許を出願

 JR貨物が検討を進めている「貨物新幹線」が具体化しそうです。同社は、貨物新幹線に関わる「貨物積替基地及びこれに用いる移動機構」の特許を出願。その内容が2023年4月19日、公開特許公報で明らかになりました。

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東北新幹線の車両(画像:写真AC)。

 貨物新幹線をめぐっては、2021年発表の「JR貨物 グループ長期ビジョン2030」で「検討を推進」と明記され、2023年度事業計画においても打ち出されています。先だって2022年11月に公開された同社の決算資料には、車両のイメージパースが掲載されていました。

 公開された内容によると「積替基地」は、在来線と新幹線が対面で停車し、ホーム上で貨物を互いに積み替えするための施設となります。イメージ図では屋根が設置されており、屋内で作業を行うことも想定しています。

 積み替えホームには数種のコンベアーが所狭しと敷設されています。在来線貨物コンテナから運び出されたパレット上の荷物は、ローラーコンベアーで中央のコンベアへ運ばれたあと、向きを変えて積み替え先の新幹線コンテナのドア前まで移動し、ローラーコンベアーを通じて車内へ積み込まれます。新幹線車内にもコンベアが敷かれています。

 今回の特許でのアピールポイントのひとつは、中央のコンベアが「ボールが回転する方式」で、横から受け入れた荷物を縦方向の移動へ自在に方向転換できる点のようです。貨物コンテナの真正面にドアが無い場合も、縦横の移動をコロコロと楽にできるというわけです。
 
 在来線・新幹線の積み替えだけでなく、「中間駅」では新幹線とトラックとの間で直接積み替えを行えるとしています。添付図面では小田原駅のように2面4線の通過線と停車線となっており、ホーム中ほどの2基のエレベーターで荷物を地上のトラックヤードへ下ろす形。停車線は貨物ステーションの建物で覆われているなど、想像を掻き立てられるものになっています。
 
 もちろんこれは特許出願であり、この絵で計画がすぐに進められるわけではありません。とはいえ今後JR貨物の「長期ビジョン」のとおり、こうした積替基地や中間駅をどこに設けるのかをはじめ、積替基地以外にも車両やシステムなど様々な技術の検討が進められていくと思われます。

【了】

【これが貨物新幹線!? 超斬新なイメージ図を見る】

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