「通過駅ゼロの快特」なぜ存在? 「空港行かぬエアポート急行」も 京急の摩訶不思議ダイヤの理由

その秘密は「列車運転の事情」にあり?

 京急久里浜駅と金沢文庫駅には隣接して車両基地や乗務員のオフィスである「乗務区」があり、各車両が受け持つ一連の運転スケジュールである「行路」は、大体これらの駅からスタートするようになっています。そのため久里浜線では列車が「京急久里浜駅から乗務開始→三崎口で折り返し→品川方面へ快特…」「品川方面から快特→京急久里浜で乗務終了」といった動きになるようなダイヤが多数組まれています。京急の最南端・三崎口駅まであと少しである京急久里浜駅で「わざわざ乗りかえ」となることが多いのはこのためです。

 同様に、逗子線も「逗子・葉山発、羽田空港行き、エアポート急行」の列車を運転するために、金沢文庫駅からいったん逗子・葉山まで列車を運転し、折り返すというスケジュールが組まれます。浦賀方面では京急久里浜の乗務区を出て回送し、堀ノ内で進行方向を変えて「堀ノ内→浦賀→品川方面特急…」と長い乗務の旅につくのです。

 これらの便宜上の列車運用で、いちいち種別を変えると煩雑になるということから、乗務区を出入りする線内列車も同じ種別にしているというわけです。

 久里浜以南は「優等列車が乗り入れて各駅停車する」というダイヤで、「普通」を冠した列車は存在しません。ややこしいのが浦賀方面で、優等列車も普通も乗り入れるため、「堀ノ内発、浦賀行き、特急」「堀ノ内発、浦賀行き、普通」が混在することになります。両方ともわずか3駅間・所要時間5分の各駅停車。逗子線も金沢文庫~逗子・葉山間のみを走る各駅停車にエアポート急行と普通が設定されており、ここまでくると初見では何がなんだかわかりません。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 他社にも類似例は少なくないが、利用者目線に立てば極めて不親切。
    こういうのには、もっと国交省の指導が入るべきだ。

  2. 終点まで各駅に停まるなら車両もホームも各駅停車か種別無表示にすべき❗️
    JR東日本と東京メトロと西武(ホームのみ、練馬→小武向原を除く)しかそうなっていない!