「レオパルト2」は誰の子? ドイツ主力戦車の知財権めぐり裁判 KMWとラインメタル 友好関係だったのになぜ

判決は2023年5月2日に下る!

 なおレオパルト2は、ラインメタルが砲塔や射撃管制システムを、KMWがシャーシを製造しています。ラインメタルは自社がレオパルト2の知的財産権を持つ根拠について、同戦車の生産拠点のひとつであるキールでの生産権利を2000年にKMWから引き継いでいるため、「ライセンス生産されたレオパルト2A4は自社の権利に基づいている」としています。

 両社の代表者は5月2日ミュンヘン地方裁判所で会談し、レオパルト2の知的財産権について決定します。仮に裁判でシャーシの知的財産権がラインメタルにないことが確定した場合は、同戦車のシャーシをベースにしているKF51「パンター」はKMWの知的財産権を侵害していることとなり、今後の開発に大きな影響を及ぼします。逆にラインメタルが勝訴すれば、KMWを無視して、開発する自由が得られます。

 権利問題が表面化する以前、KMWとラインメタルはボクサー装甲車やPzH2000自走榴弾砲といったドイツ軍の軍用車両開発を通じ10年以上良好な協力関係にありました。しかし、KMWがKNDSグループになった2015年以降、パートナー関係が冷え込み始めたと、現地メディアでは報じられています。

【了】

【問題の発端か?】ラインメタルのKF51「パンター」とKNDSのMGCS(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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