交通系IC拡大ムリ!自動改札も不要! JR四国スタイルの“スマホで乗って”大作戦は成功するか

改札で“ピッ”は無し そもそも自動改札ほぼ無し

 JR四国は、アプリ利用の拡大とともに、「紙のきっぷ減らしていくことが将来にわたっての課題だと認識している」と話します。

「JR他社に跨るきっぷなどは、これまで通り磁気券での発券が必要であることから、たちまち紙のきっぷが無くなることはありません。一方で、自動改札もほとんどない当社の場合、金額式のきっぷでは、その金額しか把握できません。スマえきの場合、どの駅からどの駅まで乗車したか、おおよその使用開始と終了時間や、乗車券をいつ購入したかなどもわかります。より確度の高いご利用実態を把握し、需要に応じた営業施策展開に役立てるためにも、スマえきの利用率を高めていきたいと考えています」

 スマえきは事前に乗車券を購入するため、交通系ICカードのように、(区間を気にせず)とにかくピッと改札へ入って列車を利用することはできません。「四国外へ跨がるご利用や、事前にきっぷの購入が不要(降車時精算)な点は IC カードが優位であり、今後もスマえきと IC カードは、お客様が鉄道を便利にご利用いただくための“選択肢”として、うまく棲み分けながら、多様なニーズや施策に対応していくものと考えています」とのこと。

 とはいえ、スマえきは乗車券、自由席特急券、定期券、特別企画乗車券まで様々な券種に対応するとともに、専用の読取り機器も不要という観点で、「当社の環境下に即している」ということです。

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スマえきのチラシより(画像:JR四国)。

 交通各社は人手不足が共通の課題となっており、有人窓口の削減やワンマン運転の拡大といった省人化を進めています。そうしたなかで、アプリにより利用者の利便性を高め、同時に発券業務などの自動化、ひいては省人化につなげる構え。JR四国はスマえきの利用率を7割に高めることを目標にしています。

【了】

【これでええやん…】JR四国の超手軽な「スマホ乗車券」(画像で見る)

Writer: 西田伸昌

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コメント

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1件のコメント

  1. ありがとうございます。水色のJRは本社のある香川県以外はICカードも自動改札機も当面つまり実質永久に導入しない、しかも水色のJRに限らず、四国島内の私鉄ですら香川県(琴平電鉄)以外はICカード導入ナシであります。伊予鉄グループや土佐電グループですら導入ナシであります。ただこの両社は自社専用のICカードがありますが、いずれにせよ、やはり全国交通ICカード共通利用を受け入れていません。香川県以外の四国島内で最も不便に思っていたことの一つでありました。香川県以外の四国はこのまま当面(実質永久に)箱庭状態でしょうか?ちなみに自分の地元でもある九州にも、そんな箱庭状態のエリアがありまして、それは鹿児島県であり、やはり赤色のJR以外は共通ICカードは利用不可であり、鹿児島市内の市電やバスは利用不可であります。他の九州の各県ではほぼすべての交通機関で共通利用可能です(鹿児島県以外の九州各県ではやはり地元のnimoca[西鉄グループ]が大半である)。これは一説によると地元の交通系の大企業であるいわさきコーポレーション(およびそのグループ各社)の圧力によるものだとの事です。地元エリア専用のICカードもこの企業が幹事で発売しているのです。地方の場合はどうしても地元企業の圧力も関わりがあるからやむを得ないかもしれないケースもあります