MiG-21戦闘機ルーマニアが全廃へ 旧ソ連製のベストセラー機 NATO内での運用は残り1国に

3基地で同時に退役式典を行うそう。

ルーマニアの戦闘機はアメリカ製F-16に一本化

 ルーマニア国防省は2023年5月9日、空軍で60年以上にわたって運用してきたMiG-21戦闘機を5月中に退役させると発表しました。

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ルーマニア空軍のMiG-21戦闘機(画像:ルーマニア国防省)。

 MiG-21は旧ソ連(ロシア)が開発した超音速飛行が可能な単発ジェット戦闘機です。初飛行は1955年6月16日で、これまでに1万1000機以上が生産されたベストセラー機でもあります。

 ルーマニア空軍に初めて引き渡されたのは1962年2月13日のことで、最終的に同国には約400機が納入されているとのこと。その後、独自改良やイスラエル企業によるアップグレードなどを経て半世紀以上にわたって同国の防空を担ってきたものの、さすがに旧式化したため、2016年12月にルーマニア国防省は段階的な退役を決定。代替機としてポルトガルやノルウェーなどから中古のアメリカ製F-16「ファイティングファルコン」戦闘機を導入するようになりました

 退役式典は5月15日に同国中西部にあるクンピア・トゥルジーの第71航空基地と、東部にあるボルセアの第86航空基地、北東部にあるバカウの第95航空基地でほぼ同時に行われるそうで、各空軍基地でMiG-21が離着陸を実施するとしています。

 MiG-21が退役すると、ルーマニアの戦闘機はF-16のみとなるそうで、機数を補うべく2023年中にノルウェーから追加の中古機体が引き渡される予定だといいます。

 なお、ルーマニアからMiG-21が姿を消すことで、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の中で同機を運用するのは、クロアチアのみになります。

【了】

【もう見納め】ルーマニアのMiG-21 米空軍のF-16との編隊飛行も

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コメント

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1件のコメント

  1. そのまま、ウクライナに供与しよう。
    ドローンに改造しても、使える。