最新型「F-16ブロック70」コロンビアが購入か? 一時は棚あげ 水面下で調整していたワケ
F-16シリーズの最新鋭機。
ベネズエラとの軍事的緊張も影響か?
米ロッキード・マーチンがコロンビア空軍にF-16ブロック70を供給する提案を行ったようです。コロンビア現地メディアが2023年5月10日に報じています。
コロンビア空軍では、旧式化したイスラエル製のクフィル戦闘機を更新する戦闘機を探しており、候補としてフランスのダッソー「ラファール」、隣国ブラジルでの生産も開始されたスウェーデンのサーブ「グリペン」などが挙がっていました。
そのなかでもF-16は対米関係を意識し、新型戦闘機の最有力候補とされていました。しかし新型コロナウイルスに起因した不況による国防予算圧迫などが影響し、2021年に一時棚あげに。
ただ、隣国ベネズエラとの対立が深まっているということで、新型戦闘機の購入は急務であり、2022年12月にイヴァン・ベラスケス国防相がF-16購入に向けて動いていると発表していました。
現地の報道によると、コロンビア政府は2022年11月の段階でロッキード・マーチンにF-16ブロック70購入に向けた費用見積りを要請していたそうです。なお、同機は2023年1月24日に初飛行したF-16シリーズの最新型であり、同機が飛ぶ前から購入に動いていたことになります。
ロッキード・マーチンは要請を受けふたつのプランを提示したそうです。ひとつは、F-16ブロック70を24機とコロンビア人パイロットと技術者の訓練、シミュレーター、3年間のメンテナンス費用も込みにしたもので、総額42億200万ドル(約5700億円)です。もうひとつはF-16ブロック70を16機と、同じく訓練やメンテナンスを込みにしたプランで、31億3200万ドル(約4200億円)となるそうです。
仮にF-16ブロック70をコロンビアが購入することになった場合、最初の3機が2028年に、2030年までには全機を導入する計画になるようです。ただ、同機の導入には、基地のインフラ整備や近代化も必要となるため、一部メディアはその懸念も伝えています。
【了】
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