「飛行機じゃないわ! 羽の付いたカヌーよ!!」シュワちゃんが叩いて動いたグラマン「グース」初飛行1937.5.29
「水陸両用、拡張性の高い変態機だ」
劇中ではポンコツ扱いを受けていましたが、1980年代からすれば初飛行から50年を経た機体なので仕方ありません。しかし当初は、「空飛ぶヨット」と呼ばれる富裕層のための「空の遊覧船」を目指し、双発プロペラの飛行艇として設計されました。
富裕層向けの、いわば娯楽のための機体にも関わらず、当時のグラマンの設計者は、要求以上の機体を仕上げます。
航空機として確かな強度を持っているのはもちろん、当時としては珍しい、フラップなどの一部を除いてほぼ全金属製の高翼単葉機を作り上げました。しかも、胴体には手動引き込み式の着陸装置があり、水陸どちらでも着陸が可能でした。
また、機体内部のスペースにはかなり余裕がありました。このスペースを活用すべく、まずアメリカ陸軍で水陸両用輸送機OA-9として採用され、その後、同海軍でもJRF-5として使われることになります。
「グース」は第2次世界大戦中、輸送や救助のみならず、潜水艦の探索用としても使われました。戦中からアメリカ沿岸警備隊も購入し、パトロール機として運用、戦後は日本の海上自衛隊でも救難飛行艇として採用し、1961(昭和36)年頃まで使用していました。なお、民間機としてはまだアメリカ国内でチャーター可能なようです。
※一部修正しました(5/29 17:47)
【了】
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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