空を飛び、海を泳ぎ、陸を走る! 空母にも発着可能な万能飛行機 グラマンJ2F「ダック」

海面や湖面など水上でも発着できる性能を持つ飛行機、それが水上機や飛行艇です。水上発着のため大きなフロートを備えていますが、なかには車輪だけでなく着艦フックまで備えて空母の狭い飛行甲板で発着できたものもありました。

降りる場所を選ばない傑作飛行艇の誕生

 アメリカの「グラマン」といえば、今でこそノースロップと合併してノースロップ・グラマン社になっているものの、ひと昔前までは航空アクション映画の傑作『トップガン』において主演トム・クルーズの愛機を務めたF-14「トムキャット」戦闘機を始めとして、数々の有名な軍用機を世に送り出した名門メーカーです。

 グラマンは特に空母に搭載する艦上機や水上機、飛行艇といった海軍機に長けたメーカーでしたが、同社が第2次世界大戦前の1930年代半ばに開発した機体のなかに、まるでボートと飛行機が一体化したような、普通の水上機とは異なる一風変わった形状のものがありました。

Large 20211008 01
第2次世界大戦中の1943年12月、飛行するグラマンJ2F「ダック」(画像:アメリカ海軍)。

「JF」と呼ばれたこの機体は、エンジン1基の単発機で、当時すでに旧式となりつつあった主翼を上下に2枚備えた複葉形状に、胴体と一体化した大型の主フロート(浮舟)に引込脚を備えた構造を採っていました。

 胴体と主フロートが一体になった特異な構造を採用した理由は、こうすることで胴体と主フロートをつないだ部分に空間をつくり、そのスペースに乗客や担架を乗せられるようにしたからです。これにより、JFシリーズは小型の単発複葉機ながら、乗員2名のほかに、乗客2名か担架2床(J2Fの場合)を搭載できました。

【ユーモラスな姿】J2F「ダック」を様々なアングルから

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 良い記事ですね。飛行機好きですが、この機種については知りませんでした。日本語記事で他に詳しいものも見当たりませんし、興味深かったです。戦史などにもあまり登場しないと思いますが、面白い飛行機だと思いました。

  2. ぱっと見着陸しづらそうだなぁお腹に客室があると相当恐ろしいのでは…広く使われていたということはそうでもないのか?操縦性に関するエピソードがあれば◎

記事ランキング

  1. イラン海軍の潜水艦が「撃破される瞬間」捉えた映像が公開 3隻の無人ボートが基地を急襲 “米軍史上初”の攻撃
  2. ロシア軍の攻撃ヘリが「飛行中に急襲される瞬間」捉えた映像が公開 背後から「刺客」が忍び寄る
  3. 首都高の「高級外車」がトンネル内で大炎上! “火だるまになる”恐怖の一部始終を捉えた映像が公開 ドライバーに批判も
  4. 海自の最速艦艇が「主砲を撃ちまくる」珍しい映像が公開 最高速力は80km/h以上! 対空戦能力を披露
  5. 本数が7割も減った「地下鉄の新駅」今どうなっている? “祭りの後”の様子を見てきた 大多数の乗客は「1駅手前」で下車
  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」