「ヘリコプターお祓い」できます! 全国唯一・神社にヘリポート整備のワケ 「バイク神社」もうひとつの顔

「乗りもの神社だから」ではない ヘリポートを整備した切実理由

 一般のイメージだけでいえば「バイク神社」を祀っている神社だけに「乗りもの繋がりかな?」と安易に考えてしまいそうですが、ヘリポートの整備には、過去に起きた自然災害の苦い経験が関係しているといいます。

「このヘリポートを整備した一番の理由は2011年に発生した東日本大震災です」と教えてくれたのは前出の禰宜である荒井清律さん。

「震災ではこの地域も大きな被害を受け、神社の鳥居や灯籠などは全部倒れてしまいました。地震の揺れがもっと長かったら、境内の建物はみんな倒れていたかもしれません。あの時は再建するのが大変で、私自身も神社以外のことをしなければならないと考えてしまうほどの被害でした」

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安住神社の禰宜、荒井清律さん。ゴールデンウィーク中の体験フライトでは神社側の担当者として参加者との交流も行っていた(布留川 司撮影)。

 荒井さんや神社だけでなく、この近辺に住む親戚や知人も大きな被害を受けたそうです。そこから、今後は神社として防災意識の向上を図るとともに、地域へ貢献しようと考えるようになり、その結果、思いついたのがドクターヘリの発着場を整備することだったそうです。

「このあたりは緊急搬送で対応できる病院は少なく、ここから車で移動した場合は40分程度掛かってしまいます。そのため、急患輸送ではドクターヘリがよく使われており、また大規模な災害が起きた時には神社の敷地を使って協力できることはないかと考え、ヘリポートを整備しました。現在、ヘリポートになっている場所は、元々は砂利の駐車場でしたが、それを自費で舗装しています。ヘリコプター運航会社にお願いして認可のための飛行場外離発着陸場図面を作ってもらい、2012年に防災ヘリやドクターヘリの緊急離発着場として国土交通省の許可を得ています」

「ヘリコプター神社」と名乗っているものの、その始まりは防災拠点としての地域貢献にあったことがわかります。荒井さんも「必要なことをやったってだけですかね」とサラリとその理由を語ってくれました。

【ヘリポートマークも独特】全国唯一「ヘリコプター神社」&カラフル過ぎる「バイク神社」を写真で

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