東京~長野が「途中下車不可」になる? Suica拡大で「近郊区間が拡大」波紋の理由

途中下車ができなくなる!?

 いっぽうで、「大都市近郊区間」の拡大によるデメリットもあります。それは、先述の「途中下車NG」「有効期限1日」ルールが適用され、本来の長距離鉄道旅行の自由度が狭まってしまうということです。

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大都市近郊区間内であればどれだけ長距離でも「有効期限は1日」(画像:JR西日本)。

 近郊区間の特例に当てはまらない一般的なきっぷは、100kmを超えると有効期限が2日、3日…と長くなっていきます。さらに一部例外をのぞき、途中下車も可能。単なる目的地への移動だけでなく、道中のあちこちで改札を出て、途中宿泊しつつのんびり歴訪するのもまた、旅の醍醐味でした。

 今回、東京近郊区間が拡大すると、たとえば熱海や千葉、水戸から長野まで行く場合も、有効期限1日、途中下車不可になります。甲府でいったん降りて名物「ほうとう」を食べたり、松本で観光して1泊し、翌朝また長野へ向かうという旅をする場合、それぞれの乗り降り区間のきっぷが必要となってきます。

 もともと中央本線の韮崎駅が西端だったのが2014年に岡谷・塩尻・松本へ拡大した際も、鉄道旅行ファンのあいだで「ただの移動しかできない」「1日でとても無理」など嘆息の声が上がりました。今回いよいよ長野行きにも拡大とあり、SNS上ではやはり残念がる声が上がっています。

 とはいえ、先述の長野支社も「長野へは便利な北陸新幹線をご利用いただければ」と話すほか、在来線特急「あずさ」なども運行されているため、「1日で移動できない問題」自体は特に大きくなく、「歴訪できない問題」が旅情という側面で最大のデメリットと言えるでしょう。

【了】

【画像】えっ…! これが途中下車不可のJR「近郊区間」です

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コメント

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2件のコメント

  1. 「長野は東京だ」

  2. 自分も常磐線日立駅最寄りで東京などに行くときは上野~東京を新幹線経由にして途中下車を出来るようにしています。日立~八丁堀(京葉線の東京の次の駅)にすると都内の特例で山手線と赤羽、錦糸町まで重ならなければどこを通ってもよく途中下車も出来る特例を使い日暮里から赤羽、新宿、渋谷、品川、新橋と途中下車して東京などをやったことあります。長野まで近郊区間になっても東京~品川を新幹線経由にすれば途中下車出来るので対したことはないと思います。