飛行機で増加中「プレミアムエコノミー」ってどうなの? 12時間乗って分かった“価値”

当たったプレエコ、エコノミーとどう違う?

 今回運良く安くゲットできた、長距離便でのプレミアムエコノミー。実際に乗った感じは、足元の前後間隔はエコノミーより10cm以上広いようで、通路に出る際も、エコノミーよりずっと楽に往来できました。

 座席の幅も5cm以上は広く、隣の乗客と同時に肘をかけることができるほどアームレストも幅があり、“奪い合う”こともありません。また、レッグレストもあり、背もたれもエコノミーの倍の角度で傾けることができ、快適性はエコノミーよりグンと向上しています。

 出発時の座席には、エコノミークラスで配られなかったミネラルウォーターや、歯ブラシとアイマスク、機内用の靴下が入った布製のポーチが置かれています。機内食はエコノミーより1皿多く、ボリュームもほど良い感じがしました。

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パリから香港へのプレミアムエコノミー搭乗で出た機内食(加賀幸雄撮影)。

 かつてのビジネスクラスは、現代のプレミアムエコノミーのような座席に豪華なサービスを組み合わせたものでしたが、現代ではより進化し、フルフラットシートが搭載されるなど豪勢なものになりつつあります。今回プレミアムエコノミーに乗った感想は総じて、四半世紀前に乗ったビジネスクラスの座席を、少しだけスケールダウンしたイメージです。快適さも含めてほぼ「むかしのビジネスクラス」と似た感覚を味わうことができました。

 今回は旅の疲れが出る帰国便のうち、搭乗が12時間以上となるパリ→香港でプレミアムエコノミーを選んだのは正解でした。機内にいる時間と最低料金での“入札成立”の釣り合いは取れていました。

 いずれの航空会社もコロナ禍で経営的な厳しさは続き、一部では、以前よりエコノミークラスの方はサービスが簡素になったとの感があります。それに対してプレミアムエコノミーは、名前こそ「エコノミー」がついていますが、エコノミークラスとはかなり違った乗り心地です。

 ちなみに、搭乗した航空会社はプレミアムエコノミーを「特選経済」と表記していました。「特選」は言い得て妙だと思いました。

 筆者個人的には、日本からアジア地域が目的地になる程度の飛行時間ならエコノミークラスで充分と思いますが、10時間以上乗る欧米路線へは、“入札”が成立するなら次回も試したくなる選択肢な気がしました。

【了】

【写真】確かに昔のビジネスっぽい! 「プレエコ」の座席周りを見る

Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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