米海兵隊「オスプレイ」墜落の詳細が明らかに 原因はクラッチの欠陥!? 陸上自衛隊も使用中の機体

事故要因は99%排除。

ヒューマンエラーではないことが明らかに

 アメリカ海兵隊は現地時間2023年7月21日、カリフォルニア州南部で2022年6月に発生したMV-22「オスプレイ」の墜落事故についての調査結果を発表しました。

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強襲揚陸艦から飛び立つ海兵隊のMV-22「オスプレイ」(画像:アメリカ海兵隊)。

 同事故では5人の海兵隊員が亡くなりましたが、V-22統合計画室の声明によると乗組員や整備士のミスにより発生した事故ではないことが明言され「規則に従って通常の飛行を行なっていたところ、予防不可能な、予期せぬ機械的故障が発生した」としています。

 墜落の原因については、事故機のギアボックスの問題であったことが指摘されており、クラッチの故障により、右側のプロップローターが作動不良に陥り、「回復不可能な逸脱を引き起こし、悲劇的な墜落をもたらした」と報告しています。

 この問題は「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」と呼称されるもので、クラッチがローター・システムから外れて突然再係合することで、駆動システムも深刻な損傷をもたらす可能性があるそうです。

 この事故を受け、産業界と協力し、意図しないクラッチ切断とHCEを緩和するプロモーターギアボックス入力クイルアセンブリを新たに設計・配備しました。2023年2月に米軍全体で「オスプレイ」の運航停止を実施。機器の交換を行い、同じようなクラッチ故障のリスクを「99%排除した」とV-22統合計画室は発表しています。

 なお、「オスプレイ」は日本の陸上自衛隊でも合計で17機の配備が予定されており、現在、11機目までが配備済みです。

【了】

【陸上自衛隊でも運用中】「オスプレイ」1機目が木更津駐屯地に到着したときの様子ほか(写真)

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